「those were the best seats in the house」(「人生の特等席」より)

「人生の特等席:TROUBLE WITH THE CURVE(2012年製作)」発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ 1000382807

お久しぶりです。

ま、いつもいつもお久しぶりで申し訳ありません。

今回のこの物語、野球物って言っていいのでしょうか。父親と娘の物語ですが、父親の職業はある球団のスカウト。その仕事のことがきっかけとなったある父親の行為から、娘は父を理解できないようになってしまいます。しかし、またその父の仕事のことがきっかけで、互いの絆を取り戻すといういいお話でした。

クリント・イーストウッド演ずる無骨な父親ガスは、引退間近だが名うてのスカウト。しかし、昨今はデータ重視。老いぼれスカウトはお払い箱で、コンピューターの打ち出すデータで十分だと言われてしまいます。

アメリカは不思議な国ですね。愛すべき野球好きの人たちの国ですが、「マネー・ボール」はベテランスカウト達の意見を排除して、データ中心の野球でチームを立て直すストーリーでした。こちらは、視力を失いつつある老スカウトが、データ中心で試合に足を運びもしないスカウトを打ち負かすのが痛快な物語でもありました。

スカウトの注目の的は、強打者のボー・ジェントリー。ここぞというときに、ホームランの打てるジェントリーですが、ガスは実は彼がカーブを打てないと見抜くのでした。

映画の原題は、「TROUBLE WITH THE CURVE」。「カーブに問題有り」とでも言いましょうか。

この「curve」には、「ごまかし」という意味もあるようです。「ごまかしが起こす誤解」(?)って訳せるのかどうかは定かではありませんが、父が娘にうまく説明できずに宿舎学校に押し込んだことも、娘がそれからなんとか父に受け入られようと意に反して弁護士になったのも、人生の曲がり角の「ごまかし」の始まりだったようにも思えます。

あるいは、「曲がり道での事故」って見れば、「人生の曲がり道のもめごと」と言えなくもないのでしょうか。

ミッキー役のエイミー・アダムスが、弁護士のキャリア・ウーマンから、父を取り戻すに連れ、娘の顔を取り戻すように見えるのがとても印象的でした。

カーブが打てない

「カーブが打てない」には違った表現もありました。

「変化球が打てない。」(日本語字幕より)

「Can't handle a breaking ball.」(英語字幕より)

また、カーブのことを「the hook」とも言ってましたね。

純粋な音

純粋な音を聞くのは、やはり純粋な心なんでしょうね。ガスの心は野球に対しては、純粋さを保っているのだと思います。

純粋な心を持てば、その要領は簡単なようです。

「You'll know it when you hear it.:聞けば分かる」のですから。

やがて、物語の最後に新たな心境に至ったミッキーの心も、ガスの言う純粋な音を聞くことになるのですが。

「やっぱりよ。手が泳いだ。見えなくて、なぜ分かったの?」

「長く、この商売をやっているからな。」

「それだけじゃないわ。」

「音を聞けば分かる。バットに当たる音。ミットに収まる音。純粋な音だ。聞けば分かる。」(日本語字幕より)

「You were right. His hands drift. How did you know that if you can't see him?」

「Because I've been in this business too dam long, that's why.」

「No, it's more than that. Tell me.」

「It's the sound you hear. It's like a ball coming off the bat, or exploding into a glove. It's a pure sound. You'll know it when you hear it.」(英語字幕より)

「drift」が使われていますね。不安定に動く、あるいは流されるときに使われるのですね。

ラッパ飲み

日本語字幕の「ラッパ飲み」を見て期待したのですが、残念ながら、そんな表現はありませんでした。

「ウイスキーをラッパ飲みするなんて、法学部で覚えたか。」(日本語字幕より)

「Where'd you learn how to drink, uh, fancy single-malt out of the bottle? They teach you that at law school?」(英語字幕より)

こんな感じでしょうか。

「極上のシングルモルトをボトルから飲む方法をどこで教わったのかな? 法律学校でそれを教えてくれるのかな?」

人生の特等席

邦題になったセリフのあるシーンです。ミッキーが、娘のこころの真相を語ります。

このシーンの後、今度は父親のガスから、父親のこころの真相が語られることになります。

「苦労させたくなかった。三等席の人生だ。」

「三等席じゃない。目覚めると、パパは野球を見てて、体に悪い物ばかり食べて、徹夜でビリヤード。人生の特等席だった。そしたら、お別れ。」

「あれが最良の方法だった。」

「卑怯者よ。」

「何も知らんくせに。」

「じゃ、話してよ。何よ。パパ、話して。」(日本語字幕より)

「I did what I felt was right. I just didn't want you to have life in the cheap seats.」

「They weren't the cheap seats. Spending every waking moment with my dad watching baseball eating food that was no good for me. Playing pool, staying up too late, those were the best seats in the house until you sent me away.」

「Well, I was just doing the best I know how.」

「Only a coward leaves their kid.」

「You don't know half of what you think you do.」

「Okay, then tell me the other half.」

(英語字幕より)

<語句のおさらい>

「spend」は「〈時間を〉過ごす」、「wake」は「目覚めている」。

「pool」は、お酒もビリヤードもできるお店をプール・バーって日本でも言いますから、ご存じの方も多いと思いますが、ポケット・ビリヤードのことになります。

「stay up」は、「寝ずに起きている」の意。

「send ~ away」は、「〈人を〉追い払う、追いやる」。

「coward」は、「臆病者、卑怯者」。

〈せりふのおさらい〉

「わしは自分が思ったことをやった。それは正しかったんだ。ただ、おまえには安っぽい席の人生を送ってほしくなかった。」

「安っぽい席じゃなかったわ。起きてるときは、私には良くない食い物を食べながら、野球を見てるパパと過ごすこと。ビリヤードすること、遅くまで起きてること、それらみんな、うちの特等席だったわ。私を追い払うまでは。」

「いいか、わしは自分の知ってる一番いい方法をやったんだ。」

「卑怯者だけが自分の子を手放すのよ。」

「おまえは、自分のすることの考えも半分しか分かってない。」

「いいわ、じゃ、もう半分を話して。」

幸福の形は1種類しかないが、不幸の種類は不幸の数だけあると聞いたことありますが、ミッキーと同じような状況ではないですが、子どもの頃って、親の苦労なんか関係ないところで、幸せに過ごしてますよね。うちも父が保証人になった相手に逃げられ、借金を抱えて、職場を変え、住む場所を変え、妻子のある身で母との間に私が生まれ、10年ほど別れ話が続いて、夕食後に星一徹じゃないけど、お膳ひっくり返るような夫婦げんかがつづいてました。父のこと嫌いになりましたが、しかし、その頃私はずっと不幸と思ったことはありませんでした。不思議なものです。少し大きくなると、親のことを子どもの気持ちの分からない「子不幸者」と言ってました。私にもなにか映画作れるといいんですが。

「ハスラー2」

プール・バーには懐かしい思い出があります。私、1986年当時、転勤で札幌にいました。いやー、随分昔になってしまいました。

学生時代に良くポケット・ビリヤードをやっていたので、ヒマな土曜日には、札幌のボーリング場でビリヤードをやってました。

後で知りましたが、ポケット・ビリヤードって関西が本場なんですってね。特に京都は国際大会(アジア大会?)があったりして。そう言えば、四つ玉の台は関西は少なかったですね。札幌だと、ポケットの台の方が少なく、しかもポケットは破れてて、ガム・テープで補修してあって、悲惨でしたね、当時。そんな、卓球も同じフロアの、誰も遊んでいない、しがないビリヤード場で、毎週のように一人で突いてましたら、ある日突然、ビリヤード場係りのおっちゃんが私のところへわざわざやって来て、向こうの若いカップルを指して、ビリヤードを教えてやって欲しいと言うのです。その間のプレー代はただでいいと言うのです。「当たり前やろ」と思いつつ、「へー、めずらしー」と言いながら、臨時トレーナーしました。

それから、あっという間です。いつものように突きにいくと、ものすごい人たちがビリヤードにやって来ていて、一人で突くのは遠慮して欲しいとまで言われました。怒って、2~3ヶ月行かず、久しぶりに覗くと、卓球台も消えて、ビリヤード台がびっしり、店員は、10代の若い男女数人になってました。あはは。知らなかったんです。ちまたで「ハスラー2」って映画がめちゃ流行っていたこと。えらいことやと思いましたねぇ。小学校の時、修学旅行は京都。最初にご挨拶してくれはったのは、宿泊予定の旅館「ことや」のおっちゃん。「迷子になったら、えらいことやの『ことや』のおっちゃんを思い出すんやで。」を思い出してました。「えらいことやのことやのおっちゃんや」って、つぶやしてました。いやー、一生忘れないと思いますね。(すみません)

そして、ついにそれまで見たことも、聞いたこともない「プール・バー」が札幌にお目見えしました。お店にはね、なんだかね、高そうなビリヤード台がおいてありましたな。ガム・テープ補修のポケットが嘘みたい。このころ、ビリヤード場やプール・バーが乱立しました。そして、お店が開くととりあえずビリヤード大会が開かれたりしてました。

そのプール・バーのお店の大会に参加しました。確かね、一人目か二人目の対戦相手がそんなに上手そうでもない女性でした。ナイン・ボールでした。とにかく、1から8まで私が入れましたが、最後に外したナインがポケットの近くに止まり、彼女がそれを入れて、私負けたと記憶しております。わたし、ここって言うところで弱い奴でした。記録にも記憶にも残らなーい。(すみません)

スタッフの若い人たちにも、ビリヤード教えてあげて、例のビリヤード場では、特別扱いで徹夜もしょっちゅうでした。(学生時代から、誘った人は必ず、私よりうまくなりましたなー)

当時は、ビリヤードというゲームに合わないと思いましたが、なんとラジオ番組で取り上げられ、また例のボーリング場のビリヤード場に頼まれて、ファンの集い?のコーチ役で出演してましたね。「ええんかいな、こんなんで」と言いつつ、楽しんでました。

斉藤和義の「ずっと好きだった」じゃないですが、30前の遅い、第2の「青い春」、人生の特等席でした。

それ見たことか、あれほどジェントリーはダメだと言ったのに。

かわいそうに。ジェネラル・マネージャーの怒りが分かるような気がします。

「カーブと知ってて打てない。」(日本語字幕より)

「Gentry knows it's coming, he still can't hit it.」(英語字幕より)

そして。

「あれがカーブの打てない奴だ。」(日本語字幕より)

「That's known as trouble with the curve.」(英語字幕より)

あのとき、あのプール・バーで。

「奴の右腕、ぶれてる」

「His right hand drifts.」

「あれがいわゆるナインの決められないってぇ奴だ。」

「That's known as trouble with the nine ball.」

て、陰口たたいていた方、まさかいませんよね。

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「It's not for everyone.」(「スカイフォール」より)

「007スカイフォール:SKYFALL 007(2012年製作)」発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 MGXF-55113

先週、通算アクセス数が6万件を越えました。本当にありがとうございます。(5万件のときは、ご挨拶できませんでしたが。)

私と言えば、正月にから音沙汰なしで、半年が過ぎ、早、もう7月。だからという訳ではないのですが、今回は007にしてみました。

キャスト

ジェイムズ・ボンド:ダニエル・クレイグ

M:ジュディ・デンチ

ラウル・シルヴァ:ハビエル・バルデム

イヴ:ナオミ・ハリス

ギャレス・マロリー:レイフ・ファインズ

MI6のフィールドエージェント、つまりボンドと同様、最前線で活動することが仕事のイヴは、トルコのイスタンブールでボンドと行動を共にするが、あろうことかボンドを誤射してしまう。物語早々にして、ボンドは深い谷底の河に沈んで行くのである。

参りました。このあとに流れた、テーマソングの「スカイフォール」は意味深で、印象的で、楽しかったですね。

表題の「It's not for everyone.」は、死んだと思われたボンドが復帰したあと、イヴと再会したときのもの。

「Mの所へ。」

「どこかで会った?」

「おわびしなきゃ。」

「傷は肋骨4本と、致命的でない内臓の損傷。まだ生きてる。イスタンブールは?」

「現場から一時外されて、ここに転勤。」

「外された?」

「007を死なせたから。」

「君は頑張った。」

「本当は、いい腕なのよ。」

「じゃ、用心しよう。」

「次は失敗しないわ。」

「それじゃ、現場復帰をする時は、警告してくれ。」

「今はマロリーの助手だけど、必ず現場に戻るわ。」

「戻りたい?」

「ええ、もちろん。」

「問題は適正だ。」

「007、こっちへ。」

「君を弁護するなら、動く標的を狙うのは難しい。」

「じゃ、動き続けて。」(日本語字幕より)

「She's ready for you.」

「I'm sorry, have we met before?」

「I'm the one-who should say "sorry".」

「It was only four ribs. Some of the less vital organs. Nothing major. Not enough excitement in Istanbul?」

「I've been reassigned. Temporary suspension from field work.」

「Really?」

「Something to do with killing 007.」

「Well, you gave it your best shot.」

「That was hardly my best shot.」

「I'm not sure I could survive your best.」

「I doubt you'll get the chance.」

「Well, do me a favor, will you? If they do ever let you back out there, warn me first.」

「I'm assisting Gareth Mallory in the transition, and then I'll be back in the field.」

「That's what you want?」

「Yes, of course.」

「It's not for everyone.」

「Ah, 007. It's this way.」

「In your defense, a moving target is much harder to hit.」

「Then you better keep moving.」(英語字幕より)

「問題は適正だ。」と字幕に出たとき、何か聞き逃したのかと思いましたが、そうではありませんでした。それが、「It's not for everyone.」でした。「not for everyone」は、「向き不向きがある」という意味で使われている、「Everyone is talented  in his (her) way.」と同じ意味で、会話の中で表現されているようです。だから、「適正」という表現はかけ離れたものではありませんでした。勉強になりますね。本屋大賞となった「舟を編む」で、辞書を作ることや言葉のとらえ方などが話題になりましたが、ほんとに辞書にはなんでも載っているっていう感じです。いつも、いつも感心していまいます。

余談になりますが、私は、先の例をそのまま「人は人それぞれの才能が与えられている」という意味で、自閉スペクトラムと診断された姪の長女とその母の姪に、この「Everyone is talented  in her way.」を捧げたいと思います。また同時に、自分の肝にも銘じたいと思います。

イヴは、最初物語とボンドに重大な衝撃を与えましたが、ここではそれにも関わらず、さらりと軽妙なやり取りをボンドと交わします。次には妖艶な絡みも。そして、最後にも。ボンドが復帰してからは、登場するたびに、物語にホッとする場面を与えていますね。

ボンドは大したことなかったと言いながら、けっこう辛辣な皮肉を言ってます。なのに、イヴがめげないのが、救いとなり、微笑ましさになってます。ボンドも心意気は買ったようです。

「It's not for everyone.」はシンプルでやさしい言い方のようですが、アドバイスとしては彼女によく届いたようです。物語の最後に、彼女はこの言葉が自分の決心につながったことを告げています。

「準備できました。」

「すまない。前にどこかで会った?」

「私は、謝らなきゃいけないその人よ。」

「肋骨たった4本。致命的でない内蔵のいくつか。重大なものではなかったよ。イスタンブールではあまり楽しめなかったのかね?」

「再配属されたの。フィールドワークからの一時撤退。」

「そう?」

「007射殺に某かの関わりのため。」

「まあ、君は君のベストショットを放ったんだし。」

「あれは私のベストショットとは言えないわ。」

「私は、君のベストを受けては、持ちこたえられそうもないよ。」

「あなたがそんな目に会うなんてあり得ないわ。」

「そう。僕の頼みを聞いてくれないか。いいね。もし、君が外に戻るようなことがあったら、真っ先に私に警告してくれ。」

「一時的にギャレス・マロリーの助手をしているけど、フィールドに戻るつもりよ。」

「それが君の望み?」

「ええ、もちろん。」

「人には向き不向きというものがある。」

「あ、007。こちらです。」

「君の弁護のために言うなら、動く標的は狙うのがかなり難しいということだ。」

「じゃあ、動き続けることね。」

そして、言うまでもなく、ボンドは動き続けるのでした。

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「Everything's gonna be okay.」その1(「ミッション:8ミニッツ」より)

ミッション:8ミニッツ:Source Code(2011年製作)」発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンVWBS1317

あけましておめでとうございます。

最近は仕事に追われて、あきれるほど遠ざかってますが、本年もよろしくお願いします。

さて、先日テレビで「ミッション:8ミニッツ」を観たら大好きになってしまいました。

この「ミッション:8ミニッツ」では、私の妄想が駆け巡りました。

私たちは、今ひとつの世界の中で生きているのだと考えていると思います。しかし、私はこの映画を観てこう思いました。ひょっとすると、人は人それぞれ違った世界で生きているのかもしれない。しかも人一人一人にはあらゆる瞬間に平行する膨大な数の世界が存在し、人はその膨大な世界の中から、自らの精神活動や行動で世界を選択しながら生きている...

そして、スティーブンス大尉の生き方は、現実の今を生きるための示唆を与えてくれているのではないか...

置かれた状況の中で自分を信じて前向きに生き抜くのはとても大切なことではなかろうか...

まったく別の話になりますが、NHKで昨年良く売れた本を紹介する番組がありました。その中に、「置かれた場所で咲きなさい」という本がありました。また、同じくNHKで、タレントの堂本剛が宮大工やシェフ、登山家に「運命」について問う番組がありました。その中で、世界的に著名な日本女性のシェフの「やらなければならないこととやりたいことをやっていいたら、扉が開いた」という言葉に感銘を受けました。

主人公のコルター・スティーヴンス大尉の置かれた状況は想像を超えた過酷なものでした。それでも彼が、父との和解と愛しい女性を救うことに尽くしたこと、そして彼が得たものは、とてもさわやかなものでした。先の本で「咲く」とは「笑顔で幸せに生き、人を幸せにすること」だそうです。

キャスト

コルター・スティーヴンス大尉:ジェイク・ジレンホール

クリスティーナ・ウォーレン:ミシェル・モナハン

コリーン・グッドウィン:ヴェラ・ファーミガ

ラトリッジ博士:ジェフリー・ライト

表題の「Everything's gonna be okay.」は、「うまくいく」という意味で、この映画のキーワードとなっています。

ところが残念ながら、一番最初に出てきたときの日本語字幕は、それ以後のものと表現が違ってました。

シーンはスティーブンス大尉がまったく別人になっていることに混乱しているとき。そこへ、クリスティーナは駆け寄り、彼を励まします。

「次は終点よ。降りてから話しましょ。」

「俺のじゃない。」

「落ち着いて。何も心配ないわ。」(日本語字幕より)

「Okay. We'll get off at the next stop. We'll figure out whatever's going on here, okay?」

「This doesn't belong to me.」

「Look at me. Everything's gonna be okay.」(英語字幕より)

しかしこのあと、乗務員の部屋から拳銃を持ち出そうとして失敗したとき、スティーブンス大尉は、爆発まで残り少ない時間の中でクリスティーナに、あのことばを懇願します。

「うまくいくと言ってくれ。」

「うまくいくわ。」(日本語字幕より)

「Tell me everything's gonna be okay.」

「Everything's gonna be okay.」(英語字幕より)

乞われてそう言うクリスティーナは、混乱するスティーブンス大尉に駆け寄ったあのときの世界の彼女とは、別の人物なのですね。しかし、スティーブンス大尉は、このとき「Everything's gonna be okay」が希望のことばであることを知ったのだと思います。

どうですか。「Everything's gonna be okay.:きっとうまくいく。」今年のことばに。

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「She's not herself tonight.」(「シカゴ」より)その3

MY DVD:CHICAGO:シカゴ(2002S年製作)」発売元:ハピネット・ピクチャーズ BIBF-5880A

お久しぶりです。

実は先月、10月の終わりに累計アクセス数が4万件を越えました。

1兆とは想像もつかない数字だ、1億だって....

しかし、4万という数字も目の当たりにすると、想像もできない数字ということが分かりました。もちろん、日々いただくアクセスで、6年もすれば到達する数値なのでしょうが。4000のたったの10倍だ、なんて自分に言い聞かせてみるのですが、いつから万という数値が分かったつもりになったのか。不思議を体験しております。

再び、「シカゴ」から。

とにかく、ちょっと懐かしく振り返って、これまでの記事を読み返してみました。とりわけ、「シカゴ」は書いていて楽しかったことを思い出しました。冒頭の「And All That Jazz」の部分は、iPad・iPhoneでいつでも見れるようにしています。

それで観てみたのですが、気にかかるセリフがあることに気がつきました。

「She's not herself tonight.」

というセリフです。

その、マネージャーとヴェルマとの短いセリフのやりとりは、以下のようです。

「Velma, where you been? And where's Veronica?!」

「She's not herself tonight.」

「But they paid to see a sister act !」

「Don't sweat it. I can do it alone.」(英語字幕より)

「ヴェルマ、ヴェロニカは?」

「来られないの。」

「姉妹のショーだぞ。」

「独りで大丈夫よ。」(日本語字幕より)

どうして、「今夜、彼女は彼女自身ではない」が、「来られない」となるのでしょう。

辞書に依りますと、「be oneself」で、「(心身が)正常である」の意があるとのことです。

「not be oneself」は、「she's upset or ill」と云うことになります。

このことから、

「She's not herself」で「彼女は具合がよくない」

となるようです。特別な言い方ではなかったのですね。

しかし、面白いのは、物語の後ではっきり分かるのですが、ヴェルマはヴェロニカを殺害したばかりです。

聞き方によれば、

「今夜、彼女はもう彼女ではないのよ。」

と言ってるように聞こえます。

「she's ill」であれば、ヴェルマは嘘をついてることになりますが、「she's not herself」ではヴェルマは人知れず大きな秘密を明かしてることになります。

面白いですね。

〈語句のおさらい〉

「where you been?」は、「Where have you been?」でしょう。

「sweat」は、名詞では良く知られている「汗」です。動詞では自動詞で、「汗をかく」以外に、「ひどく心配する、びくびくする」意があります。

〈せりふのおさらい〉

「ヴェルマ、どこに行っていた? それにヴェロニカはどこだ?」

「今夜、彼女、具合悪いの。」

「客は、姉妹のショーを見に来てるのだぞ。」

「うろたえないで。私一人でできるわ。」

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「Someday. Someday, Roy. 」その5(「ナイト&デイ」より)

MY DVD:「ナイト&デイ:KNIGHT AND DAY(2010年劇場公開)」発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント株式会社 FDDC-41778

今回でやっとラストまで。「ナイト&デイ」。活劇エンターテイメントの続きの続きの続きの続き、その5です。

薬、打たれた?
ロイはそこにいました。まるでそこが住み家であるかのように、屋根の上に。
救い出された後も、ジューンは自白剤で大脳皮質の抑制が解放され、朦朧とした意識の中での思考は、あたかも愛の湖で溺れているかのように、愛のチアノーゼ状態です。
「セックスしたい気分。最高のセックス。」
「薬、打たれた? 水を飲め。」(日本語字幕より)
「I think I feel like having sex. I think we'd have really great sex.」
「Did they give you something? You should hydrate.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「feel like」は「~したい気がする」。
「we'd have 」は「we would have」。つまり、可能性・推量を表す「S would do」の形です。「do」に当たるのが「have」のため、「S would have done」の形と一瞬勘違いしそうですが、「have」の後は目的語としての名詞句「really great sex」があるのみで、動詞の過去分詞は見あたらず、前者の形「S would do」に相違ありません。「would」は「will」の過去形ですが、現在時の推量を表すとされています。
「hydrate」は「水化する、水和(水酸化)する」、「体内に(薬などの)水溶液を注入する」。難しく言って、「注射、もしくは点滴を行って薬を中和させる」あるいは「血中濃度を下げる」ことになるようです。この場合の「水溶液」に使われている水は生理食塩水のことになると思います。ただ、日本語字幕のように、「水を飲む」ことでも良いのかも知れません。残念ながら、自白剤のことについてざっと調べましたが、回復処置について述べられているものは見つけることができず、詳細は不明のままです。気になるのは、ロイの指示が「S should do」の形で、「S should be done」のように「点滴をしてもらうべき」と言った受け身の形でないところでしょうか。自分のことは自分で手当てするということなんでしょうね。「ソルジャー」に出てきた兵士や、あの「プレデター」の怪物も、けがをすると救急セットを取り出し、自分で傷口を手当てし、化膿止めの抗生物質を注射しますものね。なんの映画だったか、何もない砂漠のようなところで、果物に管を刺し、体液に近くて栄養のある果物のジュースを体に点滴するという荒技も見たことがあります。だったら、やっぱり水を飲むのではなく、自分で自分に点滴するのかも知れませんね。
<せりふのおさらい>
「セックスしたい気分。私たち、ほんとうに素晴らしいセックスができるわ。」
「奴ら、君に何を打った? 水和点滴をすべきだな。」

再会したふたりは、暴走する猛牛たちの中、追いつ追われつ、アクロバットな身のこなしで、サイモンを救わんとバイクを乗り回すのでありました。
サイモンを奪い返したロイ。しかし、彼は凶弾を体に受けたのであります。ジューンに抱かれ、朦朧となる意識の中、天使を見る思いのロイ。しかし、組織は彼を必要としていました。組織はロイに最高の救急医療を与えたのです。

スパイの非情と悲哀
ワシントンの病室で目覚めるロイ。そばに上司のイザベルがいました。
サイモンは新しい研究室を得、ジューンはロイがやったように家に戻したし、彼女は理解したと言います。そして、すべてとの関係を絶つ約束だとも言うのでありました。
「なぜ今、その話を?」
「あなたは組織の人間。任務に集中できないなら、用はない。」(日本語字幕より)
「Why are we still talking about this?」
「Because the agency invested a lot in you. And you're an asset only as long as you stay focused.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「still」は副詞として、「まだ、なお、相変わらず」。
「agency」はアメリカでは「政府機関、〜庁、〜局」の意。「the FBI」は、「Federal Bureau of Investigation :米連邦捜査局」でした。
「invest」は「in 〜」を伴って、「〜に投資する、〜に注ぐ」。「金がかかってる」ってやつですね。
「asset」は、「役に立つもの、価値のあるもの」。この単語は初めて知りました。
「only as long as 〜」は、特に慣用語句としてありませんが、「〜する限り、〜さえすれば」の意を「only」を付けて条件を強調しているようです。日本語字幕の二重否定的表現の方がより感じを出しているように思います。
「stay」は、自動詞として、後に形容詞や過去分詞を伴って、「〜のままでいる」。
「focused」は、「focus:集中する」の過去分詞です。また、形容詞として、「集中した」のほかに、「意欲的な、目的意識のある」という意味もあるようです。
<せりふのおさらい>
「今さら、どうしてその話を、僕たちはしてるのかな?」
「組織はあなたにたくさんの投資をしてる。だから、任務に集中している限り、あなたには価値があるの。」

薬は?
イザベルはジューンがどう理解したかをちゃんと確かめるべきだったようです。
日常の壁を越えてしまったジューンは、スパイさえ凌駕しつつあります。
ロイが薬と思って飲んだものがおかしいので聞くと、見覚えのある顔の医師が答えます。
「プロタイン・ゼロ。」
睡眠薬まで勉強して、誇らしげに立つジューンがそこにいました。
なぜまた睡眠薬を? ジューンはロイに絶対に無理をさせない方法を選んだのかも知れません。愛ゆえのことだったのでしょう。ここでやっと、その1の「永遠の嘘をついてくれ」につながりました。長かったです。
この歌の別の部分に、
「君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ」
って言うのがあるんです。失礼しました。

Someday
「今日は何日?」
「今日が”いつか”よ。夢が叶う日。」(日本語字幕より)
「What day is it?」
「Someday. Someday, Roy. 」(英語字幕より)
ジューンは、ただ「Someday」と言ってるだけです。しかし、ジューンがケープホーンまで走り抜けたいと言った、somedayであり、ロイが2度と来ない日みたいで危険だと言った、somedayです。

身につけているもの
「僕、何はいてる?」
「短パンよ。」
「どうやって、はいた?」
「私はペンチとレンチだけで、車を組み立てられるのよ。見ないで着替えなんか、楽勝よ。ちょっと見たけどね。」(日本語字幕より)
「What am I wearing?」
「A pair of shorts.」
「How did I get into shorts?」
「Roy, I'vd been trained to rebuild a six-speed transmission with nothing but a pair of pliers and a crescent wrench. I think I can get you into a pair of shorts without looking. I'm not saying that's what I did.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「get into」は「身につける、着る」の意。「その3」で、会話の流れで「get in」が使われていましたが、ここでは「get into」でしたね。そう言えば、「ローマの休日」の中でご紹介したように、「into 」を伴った語句として、「climb into」がありました。これにはには「(急いで、努力して)〈服などを〉着る」という意味がありました。知って楽しい限りです。
「rebuild」は「取り替える」。
「plier」は「ペンチ」。詳しくはありませんが、国内ではつがいの部分の穴に工夫があって、組み込み方を変えるとつかむ幅を大小に切り替えられるものをパイルペンチもしくはパイルレンチと呼ぶことが多いように思います。ハサミと同様に、「a pair of pliers」と数えられてます。
「crescent」は、形容詞として「三日月形の」。
「wrench」は「レンチ」。
<せりふのおさらい>
ジューンはロイの口まねをして、手にスキルがあることを言ってますが、短パンを履かせるのに、力さえあれば、それほど技術が必要とは思えないのがおかしいところです。
「僕は何をはいてる?」
「短パンよ。」
「ロイ、わたしはね、何もなくても、パイルレンチと三日月形レンチがあれば6速トランスミッションを交換できるよう訓練を受けてるの。たぶん、見なくたってあなたに短パンくらいはかせられるわ。やったことをいってるわけじゃないけどね。」

With you
愛はすべてに優る。
優秀なスパイであるロイ。彼は果たして、ジューンの救出劇を望んだのでありましょうや。
しかし、生死の境を超えたロイと、愛で非現実世界を超えたジューン。超えてそこにあるのは、やっぱりケープホーンと愛なのかも知れませんね。
「私と、私なし。私と、私なし。」
「君といたい。」
「ラジオかけて、DJさん。」(日本語字幕より)
「With me, without me. With me, without me.」
「With you.」
「Put some tunes on the radio, Mr. DJ.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「tune」は「曲」。
「put some tunes on the radio」は「ラジオに曲をかけて」だと思いますが、「put on」だけでも「スイッチを入れる」意があります。

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「your life expectancy is like here.」その2(「ナイト&デイ」より)

MY DVD:「ナイト&デイ:KNIGHT AND DAY(2010年劇場公開)」発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント株式会社 FDDC-41778

活劇エンターテイメントの続きです。

君次第だ
ジューンをなんとか救い出したいロイですが、さすがに互いの信頼がなくてはどうしようもないと思ったようです。
「言っておく。僕がついてないと、君の寿命はここ。僕とはここ。僕なしはここ。僕と、僕なし。だから、一人で帰るかどうかは、君次第だ。」(日本語字幕より)
「Just so you understand, right now, out there, on your own, your life expectancy is like here. With me, it's here. Without me, here. With me, without me. With me, Without me. So... I wouldn't advise going home. But, you know, it's up to you.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「just so」にはいくつかの意味がありますが、ここでは「もし~ならば、~でありさえすれば(if and only if)」が最も合う内容のようです。
「right now」は「ちょうど今、ただ今は」。
「out there」は「in here」の「内」に対する「(建物の)外」という意味がありますが、「世の中には」という意味があるようです。家から一歩外へ出た、「世間」という意味があるのだろうと思います。私がはっきり「out there」という言葉を意識したのは、MIB2の中のセリフでした。そこでは、「世の中」よりもっと身近な、「ちょっと先、すぐそこ」のような感じを受けました。エージェントJ(ウィル・スミス)が、エイリアンに襲われたショップで働くローラ(ロザリオ・ドーソン)に心惹かれながら、話を聞こうとする場面。自分が見たものを信じ、恐れより知ることを望むローラのセリフから。
「私たち、まだ純真な子供の頃、宇宙人はいるって思ってた。(日本語字幕より)/ When we're kids, before we're taught how to think or believe, our hearts tell us there is something else out there.(英語字幕より)」(子供の頃、考え方や信じるものを教えられる以前、世の中にはなにか別のものがいると、私たちの心は語っていたわ。)
「on your own」。「your own」は「あなた自身」。「on your own」は「あなただけで」という意味となるようです。例文では、「Can you finish the work on your own?」で「その仕事をあなただけで仕上げられますか?」、「Will you feel safe in the house on your own?」で「あなたは家で一人でいて安心しますか?」でした。
「expectancy」は面白い言葉で、「期待、期待されるもの」の意。生命保険で使用され、「life expectancy」は「平均余命、平均寿命」となります。
「you know」はつなぎ言葉としてよく使われます。「⦅文頭文末で⦆…ですね, …ですからね. 」=ほとんど意味がなく単に念を押すために用いる。「⦅挿入句に用いて⦆ほら, あの, そうねえ」=一種のクッションワード(緩衝語), 言いよどんだときのつなぎの言葉。
「up to」には多くの意味があります。ここでは「~の義務(責任)で」で、「~しだいだ」の意味合いとなります。
<せりふのおさらい>
ここで使われてる、「with me, without me.」はインパクトのある言い方ですが、なるほど最後の場面で利くせりふとなります。
「理解してもらえたらのことだが、今は、どこも、君だけでは、君の平均余命は(下を指して)ここくらい。
僕となら、ここ(上)、僕なしで、ここ(下)。
僕と(上)、僕なし(下)。
僕と(上)、僕なし(下)。
だから、家に戻れとはとても言えない。でも、ねぇ、それは君次第だ。」

イーグルスカウト
ジューンは、ロイの言葉に自分を大切に思ってくれている人間が誰なのかを考え直すことができたようです。
イーグルスカウトはアメリカでのボーイスカウトの頂点。取得すると履歴書に書けて就職が有利になったり、大統領直筆の手紙が来たり、晩餐会に招かれたりと、非常に名誉のある事のようです。
ブラウニーはアメリカでのガールスカウトの幼年団、6~8歳。茶色の制服を着るようです。
「僕は優秀なエージェントだ。今夜は、安全だよ。ボーイスカウトが誓う。」
「安全で安心? おやすみ、ロイ。ボーイスカウトだったの?」
「”イーグル・スカウト”。」
「私は”ブラウニー”。」
「そうか。」(日本語字幕より)
「I'm pretty good at what I do, June. And tonight, we're safe. Scout's honor.」
「Safe and secure? Good night, Roy. Were you really a Boy Scout?」
「Eagle Scout.」
「I was a Brownie.」
「That's cool.」(英語字幕より)
ここでは特に取り上げる語句はありません。ただ、イーグルスカウトとブラウニーのことを知っておくべきと思いました。

それでは、また。

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「 We're gonna need a bigger plane. 」(「2012」より)

MY DVD:「2012:2012(2010年製作)」発売:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント BRL60620

先に申し上げますが、今回は恥ずかしいくらいの小ネタで、申し訳ありません。
とにかく、この映画を観て、そして表題のセリフに出会ったとき、ピンと来る人は多かったと思います。一番最初の「ジェラシック・パーク」の「おまけ」でご紹介したように、「ジョーズ」の有名なセリフです。保安官役のロイ・シェイダーがサメ退治の船に乗り込んで、彼が最初に巨大なサメを見てしまった時のセリフが次のものです。
「You're gonna need a bigger boat.」(「you're gonna」は「you're going to」。)
このときは、退治すべきサメの想像を超えた巨大さを表したセリフでした。「2012」では、イエローストーンの大噴火を命からがら抜け出した後、目指すべき場所が思いも寄らぬ遠隔地だったというセリフでした。
ジョーズのセリフはもうほとんど慣例句扱いなんですね。

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「I'm doin' the bes' I can.」(「ドライビング・ミス・デイジー」より、リクエスト)

MY DVD:「ドライビング・ミス・デイジー:Driving Miss Daisy(1989年製作)」発売元:ジェネオンエンタテイメント株式会社 GNBF-7310
MY BOOK:「DRIVING MISS DAISY BY ALFRED UHRY」DRAMATISTS PLAY SERVICE INC.

「ドライビング・ミス・デイジー」にリクエストをいただきました。最後の会話についてです。
「なんとかやっていくのが、人生ですな。」のところ。
残念ながら、私もなんと言っているのか聞き取れないでいます。老人風にしゃべってるので、口ごもっていて、とても正確には聞き取れません。
戯曲には、
「Well, thass all there is to it」
「thass」は「that's = that is」のことのようです。
「That is all there is to it.」
「それこそ、することのすべてです。」
と考えて良さそうです。

「ホークは、私に会いに来たのよ。」
「今日は、しっかりしている。」
「フローリンが、”よろしく”って。共和党の全国委員で、今は、ワシントンに行ってる。」
「嘆かわしい!」
「ブーリー。看護師と遊んでおいで。」
「お前を独占したいらしい。ごゆっくり、ママ。」
「ブーリーは、まだ給料を?」
「ええ、毎週。」
「幾ら?」
「それは秘密です。」
「強盗と同じだよ。」
「まったく。」
「それで元気なの?」
「なんとかやってます。」
「私もよ。」
「何とかやっていくのが、人生ですな。これを。感謝祭のパイですよ。私が手伝いましょう。おいしい? もうひと口...」(日本語字幕より)
「Hoke came to see me, not you.」
「This one of her good days.」
「Mama, Florine says to wish you a Happy Thanksgiving. She's in Washington, you know. You remember, She's a Republican National Committeewoman now.」
「Good God! Boolie. Go charm the nurses.」
「She wants you all to herself. You're a doodle, Mama.」
「Boolie paying' you still?」
「Every week.」
「How much?」
「That between him an' me.」
「Highway robbery.」
「Yes. Sure yo will. Sure yo will.」
「How are you?」
「I'm doin' the bes' I can.」
「Me too.」
「Well, thass all there is to it. Looka here. You ain' eat yo' Thanksgiving pie. Lemme hep you wid this. Good?」(英語脚本を参考)

なんでもいいから、ということでしたら、次のようにも聞こえます。
「I regre' dis, but I only do diz things.」
「残念なことですが、ただこれらのことするだけです。」

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「 You are not in Kansas anymore. 」おまけ(「アバター」より)

MY DVD:「アバター:AVATAR(2009年公開)」発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン FXXA-39603

大佐の演説とも言える挨拶の言葉が終わったとき、ジェイク・サリーの感想があります。英字の方が、婉曲的な表現になっていました。
「新米を脅かすのが、連中の得意技だ。」(日本語字幕より)
「There's nothing like an old-school safety brief to put your mind at ease.」(英語字幕より)
「brief」は名詞で、「指示、指令」となります。
「at ease」は、ときには「at one's ease」と使われ、「気楽で、安楽で」という意味になります。ここでは「put 〜 at ease」は、「〜をリラックスさせる」の意で使われているようです。
それで、
「昔の学校のようなリラックスさせるような安全上の注意などというものはなかった。」
となります。つまり、全員の不安をあおるような内容だったということですよね。
ちなみに、ハリーポッターで見られた始業式での校長の挨拶が思い出されるものの、現在のアメリカの小学校などには、始業式すらないようです。


さて、前回岡田元監督のインタビューを紹介した番組名は「カンブリア宮殿」というものでした。
私はこの番組をはじめて見たので、番組のコンセプト、モットーは知りません。
ただ、番組の中で、異様な生物が水中を泳いでいる姿が映っていました。
アノマロカリスです。
アノマロカリスはカンブリア紀を象徴する最大最強の生物。5億4500万年まえから5億500万年まえまでとされるカンブリア紀は海の世界であり、それ以前では生物の化石はほとんど見つからない時代なんだそうです。
しかし、カンブリア紀に入ると生物は壮大な実験を行い、動物の「門」がすべて現れたと言われる、多様な生物化石が爆発的に発見された時代です。
生物分類は、和名で、ドメイン・界・門・綱・目・科・属・種となります。例えばヒトは、真核生物・動物界・脊索動物門・哺乳綱・サル目・ヒト科・ヒト属・ホモサピエンスだそうです。また、昆虫はカブトムシの仲間だけでも35万種いると言われ、多種多様な進化をしています。これでも節足動物門(汎甲殻類六脚亜門)・昆虫綱という分類になります。みんな脚が6本という同様の体を持っているわけです。
これからして、「門」がいかに生物分類の枝の根元の方であるかがわかります。
爆発とは、ひとつの種類の生物が大繁殖したということではなく、現在からは想像もつかないような奇妙きてれつな様々な形の生物が多く出現したということを意味します。
この時代を著した本の中に、スティーブン・ジェイ・グールドの書いた「ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語」があります。カンブリアの大爆発には諸説あるようですが、それを代表する本のひとつがこの本です。
最近はアノマロカリスも知名度が高くなりましたが、この本を読んでる頃は、私はまったく知らなかったので、すごく印象に残っています。
1909年に当時のアメリカ古生物学界の権威であったウォルコットによって発見された、カナディアン・ロッキー山中のバージェス頁岩から現れたカンブリア紀の生物たちには、この今の姿のアノマロカリスは含まれていなかったのです。
ウォルコットはカンブリア紀の生物を現生の生物の祖先として分類したため、カンブリア紀の生物の多様性を見逃してしまったのです。アノマロカリスの大きな触手はエビの一部として分類され、大きく固い口の部分はクラゲの一部として分類されてしまっていたからです。
それから50年以上たってから、見直され、バラバラにされていたアノマロカリスの一部は正しく統合されたのです。
この知的作業の紆余曲折を詳細な資料を基に描いた、グールドの「ワンダフル・ライフ」は秀逸な科学本でありながら、エキサイティングな読み物でもありました。

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「 You are not in Kansas anymore. 」3(「アバター」より)

MY DVD:「アバター:AVATAR(2009年公開)」発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン FXXA-39603

クオリッチ大佐の続きです。
「ここは地球ではない。お前らが着いた星はパンドラだ。それを肝に銘じ、1秒たりとも忘れるな。地獄が怖い? パンドラに比べりゃ、地獄なんかリゾート地だ。」(日本語字幕より)
「You are not in Kansas anymore. You are on Pandora, ladies and gentlemen. Respect that fact every second of every day. If there is a hell, you might want to go there for some R&R after a tour on Pandora.」(英語字幕より)

「respect」は「尊敬する」の意で、最近は日本語でも「リスペクトする」って言いますね。サッカーワールドカップの後、岡田元全日本監督がインタビュー番組「カンブリア宮殿」の中で、
「パラグアイが日本をリスペクトして全然(攻めて)来なかった。日本の選手も肌感覚でわかっているんですよ、これ以上こいつらの誘ってるところへ行ったら、うち、やられるなって。だから、試合中僕は、『お前ら、パラグアイ、お前らの方が上なんだから来いよ、お前。来いよ。』って。だって、向こうも来ない。でも、うちが行ったらやられるってのは、選手も感覚的に分かってるわけですよ。だから僕は、ハーフタイムに、『今日は延長になるから覚悟しろ』って言ったんですよ。まさかPKになるとは思ってなかったですけどね。」
アバターに戻りまして。
ここでは「respect」の目的語は「that fact:その事実」ですので、「尊重する、重要視する」の意が適当となります。
「君達はもうカンザスにいるわけではない。パンドラにいるのである、淑女、紳士諸君。毎日毎秒、そのことを重く受け止めていただきたい。」
「カンザス」に始まり、「respect」などと言うあたり、クオリッチ大佐の雰囲気とは真逆な、丁寧で親切な言い方ですね。婉曲的な”脅し”なんでしょうか。
「R&R」、または「R and R」は、「(軍隊の)保養休暇」で「外地勤務1年につき5日間」あるそうです。セリフに説明がないので、アメリカでは常識なんでしょうね。また1つ秘密を解き明かしたような気分です。そして、全体は、こちらもまた決まり文句のような言い回しです。
「もし地獄というものがあったとしても、保養休暇にそこへ行きたいとは思わないだろうね。パンドラツアーの後では。」
それほど、地獄よりパンドラの方が悲惨なんですね。
言うまでもありませんが、保養休暇なんだから、行きたいのは天国のようなリゾート地で、そこでディズニーランドなんかで感激したら、「天国はいいから、生き続けてもう一度ディズニーランドに行きたい」ってときには、この構文(?)が使えそうなんですけどね。

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