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「Someday. Someday, Roy. 」その5(「ナイト&デイ」より)

MY DVD:「ナイト&デイ:KNIGHT AND DAY(2010年劇場公開)」発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント株式会社 FDDC-41778

今回でやっとラストまで。「ナイト&デイ」。活劇エンターテイメントの続きの続きの続きの続き、その5です。

薬、打たれた?
ロイはそこにいました。まるでそこが住み家であるかのように、屋根の上に。
救い出された後も、ジューンは自白剤で大脳皮質の抑制が解放され、朦朧とした意識の中での思考は、あたかも愛の湖で溺れているかのように、愛のチアノーゼ状態です。
「セックスしたい気分。最高のセックス。」
「薬、打たれた? 水を飲め。」(日本語字幕より)
「I think I feel like having sex. I think we'd have really great sex.」
「Did they give you something? You should hydrate.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「feel like」は「~したい気がする」。
「we'd have 」は「we would have」。つまり、可能性・推量を表す「S would do」の形です。「do」に当たるのが「have」のため、「S would have done」の形と一瞬勘違いしそうですが、「have」の後は目的語としての名詞句「really great sex」があるのみで、動詞の過去分詞は見あたらず、前者の形「S would do」に相違ありません。「would」は「will」の過去形ですが、現在時の推量を表すとされています。
「hydrate」は「水化する、水和(水酸化)する」、「体内に(薬などの)水溶液を注入する」。難しく言って、「注射、もしくは点滴を行って薬を中和させる」あるいは「血中濃度を下げる」ことになるようです。この場合の「水溶液」に使われている水は生理食塩水のことになると思います。ただ、日本語字幕のように、「水を飲む」ことでも良いのかも知れません。残念ながら、自白剤のことについてざっと調べましたが、回復処置について述べられているものは見つけることができず、詳細は不明のままです。気になるのは、ロイの指示が「S should do」の形で、「S should be done」のように「点滴をしてもらうべき」と言った受け身の形でないところでしょうか。自分のことは自分で手当てするということなんでしょうね。「ソルジャー」に出てきた兵士や、あの「プレデター」の怪物も、けがをすると救急セットを取り出し、自分で傷口を手当てし、化膿止めの抗生物質を注射しますものね。なんの映画だったか、何もない砂漠のようなところで、果物に管を刺し、体液に近くて栄養のある果物のジュースを体に点滴するという荒技も見たことがあります。だったら、やっぱり水を飲むのではなく、自分で自分に点滴するのかも知れませんね。
<せりふのおさらい>
「セックスしたい気分。私たち、ほんとうに素晴らしいセックスができるわ。」
「奴ら、君に何を打った? 水和点滴をすべきだな。」

再会したふたりは、暴走する猛牛たちの中、追いつ追われつ、アクロバットな身のこなしで、サイモンを救わんとバイクを乗り回すのでありました。
サイモンを奪い返したロイ。しかし、彼は凶弾を体に受けたのであります。ジューンに抱かれ、朦朧となる意識の中、天使を見る思いのロイ。しかし、組織は彼を必要としていました。組織はロイに最高の救急医療を与えたのです。

スパイの非情と悲哀
ワシントンの病室で目覚めるロイ。そばに上司のイザベルがいました。
サイモンは新しい研究室を得、ジューンはロイがやったように家に戻したし、彼女は理解したと言います。そして、すべてとの関係を絶つ約束だとも言うのでありました。
「なぜ今、その話を?」
「あなたは組織の人間。任務に集中できないなら、用はない。」(日本語字幕より)
「Why are we still talking about this?」
「Because the agency invested a lot in you. And you're an asset only as long as you stay focused.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「still」は副詞として、「まだ、なお、相変わらず」。
「agency」はアメリカでは「政府機関、〜庁、〜局」の意。「the FBI」は、「Federal Bureau of Investigation :米連邦捜査局」でした。
「invest」は「in 〜」を伴って、「〜に投資する、〜に注ぐ」。「金がかかってる」ってやつですね。
「asset」は、「役に立つもの、価値のあるもの」。この単語は初めて知りました。
「only as long as 〜」は、特に慣用語句としてありませんが、「〜する限り、〜さえすれば」の意を「only」を付けて条件を強調しているようです。日本語字幕の二重否定的表現の方がより感じを出しているように思います。
「stay」は、自動詞として、後に形容詞や過去分詞を伴って、「〜のままでいる」。
「focused」は、「focus:集中する」の過去分詞です。また、形容詞として、「集中した」のほかに、「意欲的な、目的意識のある」という意味もあるようです。
<せりふのおさらい>
「今さら、どうしてその話を、僕たちはしてるのかな?」
「組織はあなたにたくさんの投資をしてる。だから、任務に集中している限り、あなたには価値があるの。」

薬は?
イザベルはジューンがどう理解したかをちゃんと確かめるべきだったようです。
日常の壁を越えてしまったジューンは、スパイさえ凌駕しつつあります。
ロイが薬と思って飲んだものがおかしいので聞くと、見覚えのある顔の医師が答えます。
「プロタイン・ゼロ。」
睡眠薬まで勉強して、誇らしげに立つジューンがそこにいました。
なぜまた睡眠薬を? ジューンはロイに絶対に無理をさせない方法を選んだのかも知れません。愛ゆえのことだったのでしょう。ここでやっと、その1の「永遠の嘘をついてくれ」につながりました。長かったです。
この歌の別の部分に、
「君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ」
って言うのがあるんです。失礼しました。

Someday
「今日は何日?」
「今日が”いつか”よ。夢が叶う日。」(日本語字幕より)
「What day is it?」
「Someday. Someday, Roy. 」(英語字幕より)
ジューンは、ただ「Someday」と言ってるだけです。しかし、ジューンがケープホーンまで走り抜けたいと言った、somedayであり、ロイが2度と来ない日みたいで危険だと言った、somedayです。

身につけているもの
「僕、何はいてる?」
「短パンよ。」
「どうやって、はいた?」
「私はペンチとレンチだけで、車を組み立てられるのよ。見ないで着替えなんか、楽勝よ。ちょっと見たけどね。」(日本語字幕より)
「What am I wearing?」
「A pair of shorts.」
「How did I get into shorts?」
「Roy, I'vd been trained to rebuild a six-speed transmission with nothing but a pair of pliers and a crescent wrench. I think I can get you into a pair of shorts without looking. I'm not saying that's what I did.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「get into」は「身につける、着る」の意。「その3」で、会話の流れで「get in」が使われていましたが、ここでは「get into」でしたね。そう言えば、「ローマの休日」の中でご紹介したように、「into 」を伴った語句として、「climb into」がありました。これにはには「(急いで、努力して)〈服などを〉着る」という意味がありました。知って楽しい限りです。
「rebuild」は「取り替える」。
「plier」は「ペンチ」。詳しくはありませんが、国内ではつがいの部分の穴に工夫があって、組み込み方を変えるとつかむ幅を大小に切り替えられるものをパイルペンチもしくはパイルレンチと呼ぶことが多いように思います。ハサミと同様に、「a pair of pliers」と数えられてます。
「crescent」は、形容詞として「三日月形の」。
「wrench」は「レンチ」。
<せりふのおさらい>
ジューンはロイの口まねをして、手にスキルがあることを言ってますが、短パンを履かせるのに、力さえあれば、それほど技術が必要とは思えないのがおかしいところです。
「僕は何をはいてる?」
「短パンよ。」
「ロイ、わたしはね、何もなくても、パイルレンチと三日月形レンチがあれば6速トランスミッションを交換できるよう訓練を受けてるの。たぶん、見なくたってあなたに短パンくらいはかせられるわ。やったことをいってるわけじゃないけどね。」

With you
愛はすべてに優る。
優秀なスパイであるロイ。彼は果たして、ジューンの救出劇を望んだのでありましょうや。
しかし、生死の境を超えたロイと、愛で非現実世界を超えたジューン。超えてそこにあるのは、やっぱりケープホーンと愛なのかも知れませんね。
「私と、私なし。私と、私なし。」
「君といたい。」
「ラジオかけて、DJさん。」(日本語字幕より)
「With me, without me. With me, without me.」
「With you.」
「Put some tunes on the radio, Mr. DJ.」(英語字幕より)
<語句のおさらい>
「tune」は「曲」。
「put some tunes on the radio」は「ラジオに曲をかけて」だと思いますが、「put on」だけでも「スイッチを入れる」意があります。

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「A new kind of truth serum.」その4(「ナイト&デイ」より)

MY DVD:「ナイト&デイ:KNIGHT AND DAY(2010年劇場公開)」発売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント株式会社 FDDC-41778

今回も、「ナイト&デイ」。活劇エンターテイメントの続きの続きの続きです。

さて、ジェーンはロイが生きていることを確信し、自ら極秘開発品の渦中に身を投げます。そこに必ずロイが現れると考えたからに他なりません。ただ、彼女が例えそう思ったとしても、ジューンの中の何かが覚醒(かくせい)したとしか思えない、その無謀な行動に、「そんーなやつは、おらんやろ」とどこかの漫才師の口まねをしつつ、しかし高揚する気持ちは隠せない、私であります。

血清剤
極秘発明品の代わりに大きな乾電池を手に持って、案の定、武器商人の荒くれどもに捕まったジューン。
頭(かしら)のアントニオ・キンターナの言うには、ジューンが連れてこられた地は、なんとサン・フェルミン祭りの日のスペイン。もちろん、サン・フェルミン祭りを知ってるわけではありませんが、後のシーンを見れば知ってる方もおられるかと。スペインの三大祭りとかで、有名な牛追い祭り。牛追い祭りとは言えど、牛の前を走ってる人が多く、やたら危ないお祭りでございます。
なるほど、カーチェイスはアクション映画の中のお祭りなのかも知れません。牛追い祭りだ、お祭りだ。祭りだ、祭りだ、北島三郎だ。(失礼しました。)
着くやいなや、いきなり注射を打たれるジューン。なんだか、ジューンは大丈夫なんでしょうか。そんなに会う人、会う人に薬もられて、薬害はないのでありましょうか。
とにかく、何をくれたのかと問うジューンに、キンターナは、
「A new kind of truth serum./”真実を言う薬”」(英語字幕/日本語字幕)
とおっしゃいます。
「serum」は「血清剤」。ちなみに、自白剤として、ナチス・ドイツが、致死性の高い植物ベラドンナを原料として開発したのが、「真実の血清」と言われているようです。
ともかく、「新型の、真実の血清剤さ。」とはシャレておりますね。血液の中から「真実」だけを抽出した血清剤を飲めば、人はたちどころに「真実」を語り出すのでありましょうか。そんなへりくつの「真実」の程はどうであれ、なにより私の血液の中にも、「真実」がどうか残っていますように。

小さな心遣い
ジューンは薬のせいか、おそらく普段以上に饒舌になっています。ロイへの想いが溢れて仕方ない感じ。ロイがわざと尾行させて、無事に自分を帰国させてくれたこと。オムレツを作ってくれたこと。妹の結婚式に間に合わせてくれたこと。
ロイのそうした小さな心遣いがうれしくてたまらないジューンでした。
「It's really the little things, honestly. But they count so much.」(英語字幕より)
「小さな心遣いが、うれしいの。」(日本語字幕より)
<語句のおさらい>
「really」は、副詞で、意味を強めて「確かに、ほんとうに」。この意で用いるときは、強調する語の直前に置かれています。
「honestly」は、こちらも副詞で意味を強める、「ほんとうに、実際」。
ここで面白いのは、前半は単数形の文章の中で「things」を扱い、それを受ける後半は「they」で複数形としていることです。それまでの話題にしたことを、「it」で示し、次ぎに複数ながら「the」を付けたことで、ひとくくりの物事というニュアンスで受けて、最後にはそのまま複数形でまとめています。つまり、複数形を単数形にする裏技を使い、最後に単数形を複数形で表して、言いたいことを伝えています。私の訳では逆にしてみました。前半を複数形で、後半は単数形で。言葉は魔術ですね。
「count」は自動詞として、「価値がある、大切である」。
<せりふのおさらい>
「実際、これらはほんの小さなことよ、ほんと。でもね、これってとっても価値があることなの。」

では、また。

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