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「 Boolie will have me in perpetual care before I'm cold.」(「ドライビング・ミス・デイジー」より、その4)

MY DVD:「ドライビング・ミス・デイジー:Driving Miss Daisy(1989年製作)」発売元:ジェネオンエンタテイメント株式会社 GNBF-7310
MY BOOK:「DRIVING MISS DAISY BY ALFRED UHRY」DRAMATISTS PLAY SERVICE INC.

お久しぶりです。出張と私用も重なって、ご無沙汰してました。
また、世間からは遅れてるとは思いますが、マクロビオティックと「葬られた「第二のマクガバン報告」~「動物タンパク神話」の崩壊とチャイナ・プロジェクト~」という本に出逢って、右往左往しておりました。
本で言うと、かつては、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」、M・ジェイムス/D・ジョングウォードの「自己実現への道」の2冊が私に多大なるショックと影響を与えておりましたが、今回もこれまで以上の感銘を受けております。
どんなに毒性の高い発がん性物質より、動物性タンパク質を余分に摂ることの方がガンを促進することになるとは、驚くばかりでした。

さて、「ドライビング・ミス・デイジー」の4回目。
今回も戯曲を参考に映画のセリフを追っていきたいと思います。また、戯曲に表された、ホークのなまりのような言葉もそのまま写しております。
ねばっても正確に聞き取れないところは、あきらめて、戯曲通りに綴ってみました。ご了承ください。特に英語セリフの中で下線の入っている部分がそれです。

バウアーのお墓
「ミス・デイジー、数えてみると、今月だけで、お墓参りは、もう3回目です。」
「お天気もいいわ。」
「その通りです。いいお天気です。ご主人も、お喜びでしょう。ジョージア州一のいい奥様です。」
「ブーリーは”墓守りを雇えばいい”と。”永代供養”の業者よ。」
「感心しませんな。墓を守るのは、家族が一番ですよ。」
「ブーリーはきっと私を、”永代供養”にするわ。」
「たぶん、その通りでしょうな。」
「ホーク。その花をレオ・バウアーのお墓へ。」
「ローズ・バウアー様のご主人で?」
「”ついでに供えて”と頼まれたの。」
「どのお墓です?」
「確か、2列ほど向こうの、あの辺りよ。」
「”バウアー”と書いてあるわ。どうかした?」
「いいえ、なんでもありません。奥様、もう1度…」
「2列ほど向こうよ、墓石に”バウアー”と。」
「どんな形の墓で?」
「形って?」
「私は字が読めないんです。字が読めないんです。」
「新聞を見てるじゃないの。」
「そうです。見てるだけで。写真を見て、書いてある事の想像を…」
「アルファベットは?」
「ABCは読めますが、言葉になると…」
「そんなバカな話はないわ! 字が読めたら、誰だって、言葉を読めるはずよ。頭の悪い子を教えた事もあるけど、皆、墓石ぐらいは読めたわ。“バウアー”って名前よ。バ… バ… バ… アルファベットで”バ”の音は?」
「”B”?」
「そうよ。アール… アール。バウアーの”アール”よ。何に聞こえる?」
「”R”?」
「最初の文字はー」
「”B”。」
「最後はー」
「”R”。」
「BとR。バー・アール。”バウアー”と聞こえるわ。」
「まったくですな。ミス・デイジー。そう聞こえる。それだけ?」
「そうよ。」
「途中の文字は?」
「最初と最後の文字で探せるはずよ。」(日本語字幕より)

「You know, Miz Daisy. I jess thinking'. Heah we bin out to the cemetery three times dis mont already and ain' even the twentieth yet.」
「It's good to come in nice weather.」
「Yassum. You sure right about that. Mist' Sig's grave mighty well tended. You know, I think you the best widow in the state of Georgia.」
「Boolie's always pestering me to let the staff out here tend to this plot. Perpetual care they call it.」
「Doan' you do it. Dis right to have somebody from the family lookin' after you.」
「I'll certainly never have that. Boolie will have me in perpetual care before I'm cold.」
「Come on now, Miz Daisy.」
「Hoke, put that pot of azaleas for me on Leo Bauer's grave.」
「Miz Rose Bauer's hasband?」
「That's right. She asked me to bring it out here for her.」
「All right. Where the grave at, Miz Daisy?」
「I'm not exactly sure. I know it's two rows over that way. You'll see the headstone. Bauer.」
「Yassum.」
「What's the matter?」
「Not at all. Now, Miz Daisy...」
「I told you it's two rows over that way. It says Baure on the headstone.」
「Baure? Yassum. Now. What that look like, Miz Daisy?」
「What are you talking about?」
「I'm talkin' bout I cain' read then.」
「What?」
「I cain' read, Miz Daisy.」
「Then how come I see you looking at the paper all the time?」
「I jes' did. I jes' bin looking'. I dope out what's happening from the pictures.」
「You know your letters, don't you?」
「My ABC's? Yassum, pretty good. I jes' cain' read.」
「Stop saying that. It's making me mad. If you know your letters then you can read. You just don't know you can read. I taught some of the stupidest children God every put on the face of this earth and all of them could read enough to find a name on a tombstone. the name is Baure. Buh buh buh buh Baure. What does that buh letter sound like?」
「B?.」
「Of couse. Buh Baure. Er er er ere er. BauER. That's the last part. What letter sounds like er?」
「R?」
「So the first letter is a...」
「B.」
「And the last letter is an...」
「R.」
「B-R. B-R. B-R. Brr. Brr. Brr. It even sounds like Bauer, doesn't it?」
「Sho' do Miz Daisy. It's sho' do. That's it.?」
「That's it. Now go over there like I told you in the first place and look for a headstone with a B at the beginning and an R at the end and that will be Bauer.」
「We ain' goon' worry 'bout what come'n the middle?」
「Not right now. This will be enough for you to find it. Go on now.」
「Yassum.」(英語脚本より)

ミス・デイジーの2番目でも同じような内容でご紹介しましたが、「you sure right about that.」は、「you're surely right about that.」や「I feel sure you're right about that.」という感じなんだと思います。
「grave」は「墓」。
「mighty」は副詞で、「非常に、とても」。
「tend」には「世話をする、めんどうをみる」の意があります。
「Mist' Sig's grave mighty well tended.」とホークは言ってますが、これは「墓」が主語になっていることと、内容から受動態であるはずです。したがって、be動詞が抜けていると考えられます。「Mist' Sig's grave is mighty well tended.」となると思われます。
「widow」は「未亡人」。
「I think you the best widow in the state of Georgia.」も「you」の次ぎにbe動詞が抜けています。「I think you are the best widow in the state of Georgia.」の誤りと思われます。
「pester」「しつこく悩ます、うるさくせがむ」。
「let out」で「〈人を〉〔〜から〕解放する、自由にする」意味があります。
「plot」は「小区画」。「a burial plot」で「墓地」。
「perpetual」は「永久の」。
「pot」は「鉢、つぼ」。「cup of」のように、「pot of」で「鉢1杯分の」という意味だと思われます。
「azalea」は「アザレア」。
「bring out」は「運び出す」。
「dope」は「予想する」。

「ねぇ、ミス・デイジー。ちょっと思ったのは、私達、この墓地へやって来るのは、この月もう3回目です。まだ、(今月)20日にもなってないのにですよ。」
「天気のいいときに来るのは、気持ちいいわね。」
「はい。まったくその通りで。ミスター・シグさまのお墓はとってもよくお世話されてます。そう、思うに、あなたはジョージア州一の未亡人ですよ。」
「ブーリーは、この墓地の世話をする役割の人間をなくすんだと、いつもうるさいのよ。永代供養って言うらしいわ。」
「いけませんよ。あなたを世話するのも、家族の中からの人間っていうのが筋ってもんです。」
「それはきっとだめね。ブーリーは私が冷たくなる前に永代供養にしちゃうわ。」
「なんてことを。ミス・デイジー。」
「ホーク、その一束のアザレアをレオ・バウアーの墓においてちょうだい。」
「ミス・ローズ・バウアーさまの旦那さまで?」
「ええ、そうよ。彼女がそれを運ぶよう頼んできたのよ。」
「かしこまりました。墓はどこにあるので? ミス・デイジー。」
「あまりはっきりしないんだけど。あっちの2列向こうだと思うわ。墓石を見て。バウアーよ。」
「はい。」
「どうしたの?」
「なにも。その、ミス・デイジー...」
「言ったでしょ。あっちの2列向こうよ。墓石にバウアーってあるわ。」
「バウアー? はい。その、どんな感じなんで、ミス・デイジー?」
「なにを言ってるの?」
「私が読めないってことを言ってるんで。」
「ええ?」
「読めないんです。ミス・デイジー。」
「じゃあ、あなたがいつも新聞を眺めてるのを、どうして私は見てるのかしら?」
「私はただそうしてるだけで。ただ、見てるだけなんです。写真から何が起こってるか想像してるんです。」
「自分の綴りは分かるんじゃないの?」
「私のABC? はい、良く分かります。ただ、読めないだけです。」
「お黙りなさい。私怒るわよ。自分の綴りが分かるなら、読めるはずよ。あなたは読み方を知らないだけなのよ。私は神がいつも地上におかれる最も愚かな子供のうち何人かを教えて、その子たち全部が墓石の名前など読めるくらいになったわ。名前はバウアー。バッ、バッ、バッ、バッ、バウアー。バッって、なんていう文字に聞こえる?」
「B?」
「そうよ。バッ、バウアー。アー、アー、アー、アー、アー。バウアー。これが最後の部分よ。アーはなんて文字に聞こえる?」
「アール?」
「すると、最初の文字は...」
「B。」
「そして、最後の文字は...」
「R。」
「ビーアール。ビーアール。ビーアール。バー。バー。これって、バウアーって聞こえてくるでしょ?」
「その通りで、ミス・デイジー。ええ、そうですとも。それだけで?」
「これだけよ。最初の所で言った通りに向こうへ行って、始まりがBで、終わりがRで、バウアーと書いてるはずの墓石を探すのよ。」
「その間になんて書いてるのか心配する必要はないんで?」
「今はないわ。墓を見つけるには十分よ。さあ、行って。」
「はい。」

サケ缶の1件で、ミス・デイジーはホークの人柄を信頼できるようになったのだと思われます。そして、これを機に、ふたりはまたひとつ親密さを深めたのではないかと思います。
なぜなら、ミス・デイジーがホークに読み書きを教えるようになったからです。ミス・デイジーとホークが主人と使用人の関係から、少し進んで信頼を感じ合っていたところへ、別の関係、先生と生徒のような関係も新たに生まれたからです。
それはミス・デイジーが優しさをもって接することにつながっただろうと思われるのです。

人は色々な面を持ち合わせてます。
1950年代にエリック・バーンが提唱したTransactional Analysis(:交流分析)では、人は人と交流するとき、父親のようにきびしく振る舞ったり、母親のようにやさしく振る舞ったり、あるいは知性的に物事を見聞きして判断したり、あるいは自由な子供のように振る舞ったり、親に左右される依存した子供のように振る舞ったりすると分析しました。
これら5つに分けたものを、それぞれを自我状態と呼びました。つまり、父親の自我状態、母親の自我状態、成人の自我状態、自由な子供の自我状態、人に合わせた子供の自我状態としました。
そして、どの自我状態を良く使うかは人によって違うとされました。ある人は母親の自我状態をよく使い、つぎに人に合わせる子供の自我状態だが、自由な子供の自我状態を使うのは一番少ないなど。ちなみに、これは人に尽くすタイプと言われました。
簡単に言ってしまうと、人には得意な自我状態と、不得意な自我状態があることになります。
そして、自分が人との関わりの中で、問題があったら、その人の不得意な自我状態を伸ばすことで解決に向かうことがあるようなのです。しかも、ある自我状態を伸ばせば、それまでよく使ってた自我状態をあまり使わなくなるようなのです。
ここでは適切とは言えない例だとは思いますが、ある不感症の女性の場合、母親のようなやさしい、人に尽くす部分が低いことが分かり、アドバイスとして、相手の人に料理を作ってあげることを勧めたそうです。
するとある日、その女性から、台所で感じることが出来たとの連絡があったそうです。間違えると不謹慎ともとれそうな内容ですが、これほどすてきなお話もないと思っています。有名なエピソードらしいです。

とにかく、ミス・デイジーは、厳しく見守る父親のような態度でホークを見つめるところから、彼が信頼に値する人物であることを成人の自我状態で情報を得て、そして今や母親のような気持ちで、読み書きを教えるようになったと言えそうです。
こうしたとき、人との交流において、劇的な変化が生まれるのではないかと想像しています。

それでは、また。

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