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「Nothing but knowing you love me, too. Just your heart in exchange for mine.」(「スターダスト」より)

MY DVD:「スターダスト:STARDUST(2007年製作)」発売元:パラマウントジャパン株式会社 PPA112977

舞台はイギリス。しかし、イギリスの中の、壁で守られた、魔女、空飛ぶ海賊船、そして王子たちがいるおとぎの国の物語。お話は、トリスタンという不思議な運命の、しかしとても平凡な青年が、想いを寄せる女性ヴィクトリアのために、流れ星を求めて、壁の向こうの世界へ冒険の旅に出るというもの。そして、冒険の旅の中、トリスタンは真実の愛を見つけ、自分の意外な運命を成就する。

ここでは愛の永遠性が謳われてます。永遠の生命を求めた魔女の企みも、王位を継承するがために殺戮を繰り返す王子たちの企みも皆失敗してしまいます。また、主人公トリスタンがヴィクトリアのために星を求めたこともやがて価値のないことだと知るところとなります。求め、奪おうとしたことは成就しなかったのです。一方、捧げ与えたなら、何物にも代え難い生涯の宝を得るのだというのです。

キス1回
物語の最初は、さかのぼってトリスタンの父であるダンスタンが若き頃、掟を破り、壁を越えて、魔法使いに捕らわれている王女ウーナと出逢うところから始まります。
「気に入った?」
「もちろん。僕が欲しいのは、この青い花だ。いくら?」
「”あなたの髪の色”か、”3歳までの記憶”と交換してもいいわ。引き換えよ。買う必要ないわ。代わりに待雪草を買って。幸運の花よ。」
「その花はいくら?」
「私とのキス1回よ。」
(トリスタンは胸ポケットに白い待雪草を挿され、ほほを指さすウーナにキスをしようとするが、、ウーナはトリスタンの唇に奪うかのようにキスをする。)
「いい? 来て。」
(誘われるがままに、トリスタンはウーナについて行こうとするが、ウーナが細くてしなやかな鎖に繋がれていることに気がつく。)
「私は、本当は王女なの。魔法で奴隷の身に。自由にして。」
(トリスタンは、その鎖を切ってみるが、鎖は生きているかのように切られたところを元に戻してしまう。)
「魔女が死なないと、クサリは切れないわ。残念ね。」
「君のために、何かできることはある?」(日本語字幕より)
「See anything you like?」
「Definitely. I mean, what I meant was these ones, the blue ones. How much are they?」
「They might be the color of your hair. Or they might be all of your memories before you were three. I can check if you like. Anyway, you shouldn't buy the bluebells. Buy this one instead. Snowdrop. It'll bring you luck.」
「But what does that cost?」
「This one costs a kiss. Is she gone? Follow me. I'm a princess, tricked into being a witch's slave. Will you liberate me? It's an enchanted chain. I'll only be free when she dies. Sorry.」
「Well, if I can't liberate you, what do you want of me?」(英語字幕より)

「See anything you like?」は文型は命令形なので「何でも好きなものを見てください」なのですが、最後に「?」がついてるので、意味は「Do you see anything you like?:なにか気に入ったもの見つかった?」みたいです。でもダンスタンはずっとウーナしか見つめていません。ですから、「気に入ったものを見つめてるの?」とからかっているとも取れますね。
「definitely」は「確かに」。ダンスタンはウーナに見とれたまま、思わず「そうだよ」って言ってしまって、心を見抜かれてしまいます。
「bluebell:ブルーベル」は「青いつりがね型の花の咲く草の総称」だそうです。面白いのは花言葉は「節操」だそうです。この花だとウーナはダンスタンを誘惑できないのかも知れません。「instead」は「その代わりに」で、文末で使うとのことです。「snowdrop」は「待雪草(マツユキソウ)」で、「雪の消える初春、下に垂れた一輪の白い花をつける」とのこと。どうやら雪を待っているのではなく、雪が溶けるのを待っているようです。英語名の方が雪が溶けて雫となって落ちる感じが出ていますね。花言葉は、「希望、慰め、友情」。
「trick into~」で「だまして~する」の意。「liberate」は「解放」する。「enchant」は「魔法をかける、呪文をかける」。

「気に入ってくれたの?」
「そうだよ。いや、というのは、僕が言いたいのは、この花たちだ、青いやつ。いくら?」
「あなたの髪の色。それかあなたの3歳までの記憶すべてよ。良かったら調べてあげるわ。ともかく、ブルーベルは買っちゃだめ。代わりにこれを買って、待雪草。これはあなたに幸運をもたらすわ。」
「でも、何が要ることになるのかな?」
「これには1回のキス。魔女行っちゃった? ついてきて。私は王女よ。だまされて魔女の奴隷にされたの。逃がしてくれる? 魔法をかけられた鎖なのよ。残念ね。」
「あの、あなたを逃がしてあげられないけど、僕に何かして欲しい事は?」
なんて魅惑的な出会いなんでしょう。しかし世の中、ただより高いものはないようで、キス1回ではすみませんでしたね。いいのか悪いのか、たぶんいいんでしょうが、不思議と魔女サルの馬車の中は愛が生まれるところのようです。
余談ですが、ダンスタンの青年時代を演じているベン・バーンズは、これが映画初演とのことです。

愛するイギリス
ちょっと話がずれて申し訳ないですが、あんなに愛らしい笑顔のロバート・デ・ニーロを見たのは初めてです。物語では、
「泣く子も黙るキャプテンだ。」(日本語字幕より)
「Now remember, Captain Shakespeare has a fearsome reputation.」(英語字幕より)
(「fearsome」は「恐ろしい、ぞっとするような」。「reputation」は「評判、世評」。)
と言われてる海賊の彼なのですが、イギリスに憧れる心優しいキャプテンです。それどころか、トリスタンとイヴェインを見違えるように教育し、後に王と王妃として申し分ない姿にするのがこのキャプテン・シェークスピアなんです。
まず、部下が捕まえたトリスタンと星のイヴェインを救うため、人形にトリスタンの衣服を着せて船の窓から突き落とし、部下の前でイヴェインを自分の部屋へ引きずり込みます。すると下着姿のトリスタンが待っていました。
「さて、愛するイギリスについて、全部話してくれ。」
「見事にダマしたわね。人形を突き落とすなんて。」
「よく使う手さ。駆け引き、小細工、コケおどし。何でもやる。”恐怖のキャプテン”伝説を血を流さずに広めるためだ。絹の服を血で汚したくない。」(日本語字幕より)
「Now, tell me news of my beloved England. I want to hear absolutely everything.」
「Hang on. I can't believe your crew fell for that. And where in God's name did you get that mannequin from?」
「Oh, it works every time. An ounce of bargaining, a pinch of trickery, a soupcon of intimidation, et voila! The perfect recipe for a towering reputation without ever having to spill one drop of blood. Every try to get blood stains out of a silk shirt? Nightmare.」(英語字幕より)

「news」は「情報、知らせ、変わったこと」。「beloved」は「最愛の、いとしい」。「absolutely」は「完全に、まったく」。
「hang on」はここでは「待って」の意。「crew」は「乗組員」。「fall for」は「50回目のファーストキス」でもご紹介しましたが、「ダマされる、一杯くわされる」でした。「in God's name」は「in the name of God」と同じで、「[疑問詞を強調して]いったいぜんたい」の意。「mannequin」は「マネキン人形」。
「work」には、「うまくいく、効く」という意味があります。「ounce」は重さを示す「オンス」のこと。ここでは「an ounce of」で「わずかな、少量の」といった意味のようです。
「bargaining」は「交渉」。「bargain」は名詞として私たちの知っている「バーゲン:安売り、特価品」の意味もありますが、自動詞としては「交渉する」・「契約する」という意味となります。私が初めて映画の中でこの「バーゲン」という言葉が、「交渉」という意味で使われていると気づいたのは、ハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズの「逃亡者」でした。リチャード・キンブルを追う、捜査に厳しく冷徹なジェラード連邦保安官補の一面を示す衝撃的な場面でした。キンブルと同時に脱走したコープランドの居場所を突き止めたジェラード一行は、その家に踏み込む。しかし、部下の1人がコープランドにつかまり、部下は拳銃を頭に突きつけられてしまう。ジェラードは、興奮しながら自分を逃がせと言うコープランドのすきをついて、いささかの躊躇も見せず射殺するのであった。直後、呆然とする部下に近づくジェラードであったが。
「おれは交渉しない。」(日本語字幕より)
「I don't bargain.」(英語字幕より)
ジェラードの言葉の中に「バーゲン」という言葉が聞こえたことに、びっくりしたものです。
「pinch」は「ピンチ」という言葉で日本語になってますね。「苦難」です。もともとは「つまむこと」で、ここでは「a pinch of」で「ひとつまみの、少量の」の意味です。「trickery」は「ごまかし、詐欺、策略」。「小細工」がいいですね。「soupcon」はこれも「少量の」。「intimidation」は「おどし」で「コケ脅し」も最高。「et voila!」ってありますが、これはフランス語。「and there」ってなるのでしょうか。「and so on:など」という感じでしょうか。「recipe」は料理でよく聞く「レシピ、調理法」で、「秘訣、方法」という意味もあるようです。「towering」は「偉大な、すばらしい」。「spill」は「流す」。「stain」は「汚れ、しみ」。「nightmare」は「悪夢」。

「さあ、いとしいイギリスの近況を聞かせてくれ。すべて全部聞きたいな。」
「待って。あなたの手下たちがあんな風にだまされるなんて信じられない。いったいぜんたいあのマネキンはどこから手に入れたの?」
「いつだってばっちりさ。少々の駆け引き、小細工、こけ脅し、なんでも。偉大な伝説のための、1滴の血も流さない完璧な方法さ。やるたびに絹のシャツに血のしみ? 悪夢だよ。」

ふりかざす槍
「若い君らに打ち明けて、気が楽になったよ。手下の前で、キャプテンを演じるのも大変だ。自分が作った役を演じてるにすぎん。名前をじっくり考え、大作家から取ったのが、”ふりかざす槍”だ。いい気分だね。」
「分からないな。本当の自分の方がいいのに。なぜ偽りの自分を演じるの?」
「自分にウソをつくなんて。」
「そうさ。」(日本語字幕より)
「You have no idea the lightness it brings to my heart being able to confide in you charming young people. The pressure of maintaing the whole Captain Shakespeare persona for the sake of the crew, I don't know. Sometimes, you see, I'm very much a man of my own creation. Even chose the name specially. Took me ages. See, I'm thinking legendary British wordsmith. My enemies and crew are thinking, "Shake! Spear!" It's little things like that make me happy.」
「I don't understand that. Surely it would make you happier just to be yourself. Why fight to be accepted by people you don't actually want to be like?」
「Yeah. Why would anyone do that to himself?」
「Exactly.」(英語字幕より)

「lightness」には2種類あります。1つは「明るさ」。もう1つは「軽快さ、快活」。ここでは後者のようです。「it」はどうも「being able to confide in 〜」を意味すると考えると考えやすいようです。「confide」には「秘密を打ち明ける」意があります。「pressure」は「圧力、重圧」。いわゆる「プレッシャー」ですね。「persona」は「仮面、偽りの個性」。「for the sake of〜」は「〜のために、〜の理由で」。「「very much」は「very」だけでは修飾できないさまざまなものを修飾することができるようです。この場合も名詞句の前に置かれ、「まさしく〜だ」の意味となっているようです。「man」には「男らしい男、一人前の男」という意味もあります。「chose」は「choose:選ぶ」の過去形。「legendary」は「伝説上の、有名な」。「wordsmith」は「言葉細工師《特にプロの巧みな文章書き;新しい語を匠に作り出す人》」。「enemy」は「敵」。「shake」は「振る、振りかざす」。「spear」は「槍」。
「Surely」は「確かに、必ず、きっと」。「accept」は「快く受け取る、受け入れる」。
「exactly」は、この場合は「そうです。おっしゃるとおり」。

「君たち、すてきな若者に打ち明けることが、私の心にもたらす心地よさを、君らには分かるまいな。手下のために、キャプテン・シェイクスピアの仮面を維持するプレッシャーときたら、計り知れない。ときには、まさしく自分が作り出した男の中の男になるんだ。名前さえ特別に考えた。何年もな。いいか、俺は伝説のようなイギリス作家を思い描いく。が、敵や手下は、”振りかざせ! 槍を!”って思う。そんなことが、ちょっとした喜びになるんだ。」
「それは理解できないな。きっと、ただ自分自身でいることがあなたを幸せにしますよ。どうして、実際にはなりたくないような人々に受け入られようと戦うのですか?」
「そうよ。だれがそんなこと自分にする?」
「そうだよ。」

ヤリすぎるな
先ほどの槍とは関係ないですが、キャプテン・シェイクスピアは皆の前であることを思い出して、海賊らしく「ヤリすぎるな」と声をかけます。しかし、どうも副長は、キャプテンのことを見抜いており、しかも上手でないことを感じてるみたいですね。ちょっと表現が妙に文学的だったかも知れません。あまり聞かない言い方ですね。
「その女とヤリすぎるな。」(日本語字幕より)
「Mind you don't wear that wench out, Captain Tristan!」(英語字幕より)

「wench」は「少女、娘っこ」。「ふしだらな女、売春婦」という意味もあります。「wear」には「すり減らす、使い古す」という意味があります。また、「wear out」は「〈衣服〉を着つぶしてお払い箱にする」って意味があります。

僕に殺せる?
人目を避けるために、イヴェインを押し倒したトリスタン。イヴェインの問いかけにドキドキしたのは私だけなんでしょうか?
「欲しくない?」
「欲しいって何を?」
「永遠の命よ。私の心臓じゃなく、別の”星”の心臓ならどう?」
「僕に殺せると思う? 誰かを殺して、永遠の命を手に入れても、虚しいだけだ。分かち合える人がいたら...愛する人がいたら、別の人生が送れる。」(日本語字幕より)
「Aren't you tempted?」
「Tempted? By what?」
「Immortality. Let's say it wasn't my heart. Not me. Just a star you didn't know. 」
「You seriously think I could kill anyone? I mean, even if I could... Everlasting life? I imagine it would be kind of lonely. Well, maybe if you had someone to share it with. Someone you love. Maybe then it might be different.」(英語字幕より)

「tempt」は「誘惑する、そそのかす」。「immortality」は「不死」。「everlasting」は「永遠に続く、不滅の」。「imagine」は「想像する」。

では、トリスタンに近づくとイヴェインが輝きだすことに気づいているのは、私だけではないですよね。
「そそられない?」
「そそられる? なんに?」
「不死よ。私の心臓でなかったとしたらよ。私じゃなく。あなたの知らないただの星。」
「君はほんとに僕が誰かを殺せると思う? つまり、もしできたとしても... 永遠の命? 考えてもみてよ。それはさびしいよ。そう、分かち合える人がいるならね。愛してる誰かが。それなら、違うだろうね。」

星の役目は?
トリスタンはまだイヴェインが輝く理由すら分かってなさそうです。
「君はキラキラ輝いてるね。それってフツー?」
「自分で考えてみて。”星”の役目は何?」
「トラブル作り? 冗談だよ。ごめん。当ててみる。”星”の役目は、トリスタンを困らせること?」(日本語字幕より)
「You know, you sort of glitter sometimes. I just noticed it. Is it normal?」
「Let's see if you can work it out for yourself. What do stars do?」
「Attract trouble? That's... All right, I'm sorry. Wait, I'm sorry. All right, let me... Let me... Do I get another guess? Is it... Do they know exactly how to annoy a boy called Tristan Thorn?」(英語字幕より)

「glitter」は「きらきら輝く、きらめく」。「sort of」で「多少、いくらか」。「work out」は「〈問題〉を苦労して解く」。「attract」は「引きつける、招く」。「annoy」は「いらいらさせる、悩ます」。

星の大切な役目は今は分からないのですが、後にどれほどすばらしいものか分かるときがきます。
「あのね、君はなんだかときどきキラキラ輝くね。気がついたんだけど。それて普通なの?」
「自分で一生懸命考えてるか見せて。星は何をするの?」
「トラブルを招く? あれは...わかった、ごめん。待って、ごめん。よし、そうだな.. そう... 別の答えを出すね? それは... 星たちはトリスタン・ソーンという名の少年を悩ます方法を本当によく知ってる?」
彼らの会話は軽やかで、恋人たちのそれと似てきてますね。

キャプテンは俺たちのボスだ
不覚にも、キャプテン・シェイクスピアは第7王子・セプティマスが襲撃しようとは知らず、女装をお楽しみでした。手下たちに助けられたキャプテンは意気消沈しています。
「アールグレイです。」
「みんな、出てけ。」
「ケガは? 2人の行き先を密告? じゃ問題ない。」
「俺の伝説が崩れる。」
「ナンセンスだ。」
「知ってますぜ。キャプテンの女装趣味は。」
「キャプテンは俺たちのボスだ。」
「そうさ。」(日本語字幕より)
「Nice cup of Earl Grey.」
「Get out, everybody. Get out.」
「Did he hurt you, Captain? Did you tell him where your nephew and the girl went? So what's the problem?」
「It's my reputation.」
「No. No, no. Don't be silly. Nonsense.」
「It's all right, Captain. We always knew you were a whoopsie.」
「You'll always be our captain, Captain.」
「Aye, aye, Captain.」(英語字幕より)

「silly」は「ばかな、愚かな」。「whoopsie」は「うんち、くそ」だそうです。「aye」は「はい;賛成!」。

「アールグレイのおいしい1杯です。」
「出てけ、みんな。出てけ。」
「やつにやられた? キャプテン。甥と女の行き先を吐いた? だったら、なにが問題?」
「おれの伝説だ。」
「いえ。いえ、いえ。ばかな。ナンセンス。」
「大丈夫でさ、キャプテン。俺たちゃ皆、あんたがクソったれを着てるって、知ってました。」
「あなたはいつでも俺たちのキャプテンです。キャプテン。」
「そうだ、そうだ、キャプテン」
キャプテンのガッツポーズが戻りました。そうこなくっちゃね。

宇宙の果てまで探しても、これほど美しいものはない
待雪草は魔女から魔法をかけられないようにする大切なお守りでした。急ぎたい一心で、待雪草を魔女サルに渡してしまったトリスタン。彼女にネズミにされてしまいます。魔女ラミアの魔法で魔女サルには星であるイヴェインがまったく見えません。イヴェインはネズミとなったトリスタンに話しかけますが、ネズミのトリスタンはチーズに気をとられてるよう。
変わり果てたトリスタンの姿に、思いを強くしたイヴェイン。魔女サルの馬車は愛を育むようです。
「"愛は知らない”と言ったけど、本心じゃないの。よく知ってるわ。何世紀もずっと愛を見てきたからよ。人間の世界で愛だけが唯一の救いだわ。いつも戦争ばかり。苦悩、偽り、憎しみ。目を背けたくなるわ。でも人間が愛するのを見て思ったの。宇宙の果てまで探しても、これほど美しいものはないって。だから、そうなの、愛は絶対的なものよ。でも不思議。愛って気まぐれで、不意にやってくる。思い通りにならなくて、じれったいの。嫌いだと思ってたら、その逆だったり。つまり、私が言いたいのは、”愛してる”ってこと。感じるのよ。心臓がドキドキして、飛び出しそう。まるで、私とあなたの心が区別できないの。あなたが望むなら、何もいらない。贈り物も財産も。献身的な気配りも。ただ愛してほしいだけ。真心をちょうだい。私の真心をあげる。」(日本語字幕より)
「You know when I said I knew little about love? Well, that wasn't true. I know a lot about love. I've seen it. I've seen centuries and centuries of it. And it was the only thing that made watching your world bearable. All those wars. Pain and lies. Hate. Made me want to turn away and never look down again. But to see the way that mankind loves. I mean, you could search the furthest reaches of the universe and never find anything more beautiful. So, yes, I know that love is unconditional. But I also know it can be unpredictable, unexpected, uncontrollable, unbearable and, well, strangely easy to mistake for loathing. And what I'm trying to say, Tristan, is I think I love you. My heart, it feels like my chest can barely contain it. LIke it doesn't belong to me anymore. It belongs to you. And if you wanted it, I'd wish for nothing in exchange. No gifts, no goods, no demonstrations of devotion. Nothing but knowing you love me, too. Just your heart in exchange for mine.」(英語字幕より)

「bearable」は「がまんできる、しのげる」。「turn away」は「目をそらす、そむける」。「furthest」は「far:遠い」の最上級。「unconditional」は「無条件の、絶対的な」。「unpredictable」は「予言できない」。字幕の「気まぐれ」は秀逸ですね。「unexpected」は「予期しない、思いも寄らない、意外な」。「不意にやってくる」もいいです。「uncontrollable」は「制御できない、手に負えない」。「unbearable」は「がまんできない、耐えられない」。字幕の「じれったい」は卓越してますね。「strangely」は「妙に、変に;よそよそしく」「loathing」は「強い嫌悪」。「barely」は「かろうじて」。「contain」は否定語と用いて、「制御する、こらえる」。「exchange」は「交換する、引き替える」。「devotion」は「献身、熱愛」。

「愛についてほとんど知らないと言ったときのことだけど。そう、あれはほんとじゃない。愛についてたくさん知ってる。見てきたの。何世紀も何世紀も見てきたの。愛はあなたの世界をがまんできると見ることの出来る唯一のものだったわ。すべての戦争、苦悩、偽り、憎しみ。これらは私に目をそらせ、二度と見たくないと思わせたわ。しかし、人の愛は見たいと思わせてくれたわ。つまり、宇宙の届く最も遠くまで探したとしても、これほど美しいものは見つからないわ。そして、そう、愛は絶対的。それだけでなく、愛は気まぐれで、思いも寄らなくて、思い通りにならなくて、じれったいの。そして、そう、不思議に嫌悪感と簡単に取り違えてしまう。それで、私が言おうとしてるのは、トリスタン、あなたを愛してると思ってることなの。私の心臓、それはかろうじて胸におさまってる感じ。もはや私のものじゃない感じ。あなたのものよ。そして、あなたが望むなら、代わりのものなど要らない。贈り物も、財産も、献身的な振る舞いも。ただ、あなたも私を愛してることを教えて。私の心をあなたの心のお返しに。」
すてきな愛の言葉でしたね。

お母さんの方が
人間に戻ったトリスタンは、意識朦朧。あろうことか、イヴェインをヴィクトリアと呼んでしまいます。
「心配したのよ。」
「ヴィクトリア...」
「”お母さん”の方がマシ。」(日本語字幕より)
「I've been so worried about you.」
「Victoria.」
「I think I preferred "Mother."」(英語字幕より)

「prefer」は「好きである」。「の方がマシ」って感じが出てますよね。

真実の愛は目の前にある
そうら、トリスタンには聞こえてた。良かった、良かった。
「馬車で言ったことは本当?」
「そんなはず...あなたはネズミで、チーズを食べていたのに。合図ぐらいしてよ。」
「ロマンチックな告白をジャマしちゃ悪い。キャプテンの言葉を知りたい? ”真実の愛は目の前にある”そう言ったのさ。彼は正しかった。」(日本語字幕より)
「Did you really mean what you said in the caravan?」
「What I...But... But you were a mouse! You were a mouse! You wanted cheese! You didn't... I asked you to give me a sign.」
「And risk you being too embarrassed to keep saying such lovely things? You want to know what the Captain really whispered to me that day? He told me that my true love was right in front of my eyes. And he was right.」(英語字幕より)

「caravan」」は「箱荷車、移動住宅」。「embarrass」は「狼狽させる、はずかしい思いをさせる」。「whisper」は「ささやく、耳打ちする」。

「馬車の中で君が言ったことは本当?」
「私が... でも... でもあなたはネズミだったのよ! ネズミだった! チーズを欲しがった! あなたは決して... 合図を待ってたわ。」
「君のすてきな告白を言い続けるのはあまりに恥ずかしいことだと、思い切って知らせよと? あの日、キャプテンが僕に耳打ちしたこと知りたいよね? 彼は言ったんだ。僕の真の愛は僕のまさに目の前にあるって。彼は正しかった。」

輝くの
「坊やおかげで、”星”の心臓が輝きを取り戻した。姉たちが消えて、私が心臓を独り占めできる。」
「目を閉じて抱いて。」
「なぜ?」
「”星”のマジックよ。輝くの。」(日本語字幕より)
「I owe you thanks, boy. What use was her heart to me when it was broken? And you got rid of my sisters and now I can have it all for myself.」
「Hold me tight and close your eyes.」
「What? Why?」
「What do stars do? Shine.」(英語字幕より)

「get rid of」は「やっかいものを片づける」でしたね。「60セカンズ」(2006年9月)でご紹介しました。

「坊やにお礼の借りができたね。彼女のハートが壊れたとき、何が効くかってね。私の姉たちを厄介払いしてくれたので、今や私はすべてを自分のために得ることができる。」
「強く抱きしめて、眼を閉じて。」
「なに? なぜ?」
「星はなにをする? 輝くのよ。」

失恋した星は輝けない
トリスタンって、率直な男ですね。質問も、答えも。
「早くやれよ。」
「それはムリだわ。失恋した”星”は輝けないの。あなたを失ったかと。でも戻って来た。」
「愛してるからさ。」(日本語字幕より)
「Why didn't you do that earlier?」
「I couldn't have done that without you. No star can shine with a broken heart. I thought I'd lost you. But you came back.」
「Of course I did. I love you.」(英語字幕より)

「どうしてもっと早くやらなかったの?」
「あなたなしではできなかった。失恋した星は輝けないの。あなたを失ったと思ってた。でも、戻って来てくれた。」
「もちろん、戻ったさ。愛してる。」

王族最後の生き残り
「トリスタンよ、びっくりしただろ?」って、観てる側はおもいますよね。
「王族最後の生き残りよ。あなたがね。」(日本語字幕より)
「The last surviving male heir of the Stormhold bloodline. It's you, Tristan.」(英語字幕より)

星の真心
「2人は80年間統治した。だが人間の命は、はかない。”星”の真心を、手に入れない限り。そしてイヴェインは夫に真心を捧げた。その後王国は子孫に受け継がれ、やがてロウソクに火をともす時が訪れた。2人は夜空で、今も幸せに輝いている...」(日本語字幕より)
「They ruled for 80 years. But no man can live forever, except he who possesses the heart of a star. And Yvaine had given hers to Tristan completely. When their children and grandchildren were grown, it was time to light the Babylon candle. And they still live happily ever after.」(英語字幕より)

最後の「And they still live happily ever after.」はめずらしく「現在形」で、「ever after;それからはずっと」なんですが、今も空のどこかでキラキラ輝いてることを示唆してます。

「2人は80年間統治した。しかし、だれも永遠には生きられない。星の心を得た者以外は。そして、イヴェインは、彼女の心をトリスタンにまさに捧げた。2人の子供たちや孫たちが大きくなったとき、バビロンのろうそくに火をともすときとなった。そして、2人はその後ずっと、今もなお、幸せだとさ。」

めでたし、めでたし。

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