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「which seats him in the 'crazy but not stupid' section.」(「スピード」より)

MY DVD:「SPEED:スピード(1994年製作)」発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社 FXBA-8638

前回、「stupid」で「スピード」を思い出しました。1994年製作ですから、もう15年も経ちます。なんだか懐かしくなって、もう一度観てみました。

デニス・ホッパー演じる犯人は、身元を確認しようとする係員をいきなり殺害します。
「悪く思うな。」(日本語字幕より)
「Nothing personal.」(英語字幕より)
「Nothing personal.」は「悪気はありません。」と辞書に紹介されていました。これは直接相手を個人的に攻撃していないことを表明する言い方で、相手を殺しておいて、こんなことを言う犯人の異常な性格がうかがえます。
「ミッション・トウ・マーズ」にも、火星探査のチームに夫婦が選ばれていることを、飛行士の妻たちの一人がおかしいと話しているところへ、その選ばれた妻・テリーがあらわれる場面で、この言い方が使われていました。
「あら、ごめんなさい、テリー。」(日本語字幕より)
「Well, nothing personal, Terri.」(英語字幕より)
「nothing personal」をただ訳してみると、「個人的なことは何もない」ってなります。
辞書には、「personal」には「〈人・発言などが〉個人攻撃の」、同様に「〈人の〉私事に触れた、個人に宛てた」とも記載されていました。少なくとも、この場合、「相手」の個人的なことを意味するようです。
英英辞書でこの意味に相当する部分を読んでみますと、「referring to an individual's character, appearance, or private life in an inappropriate or offensive way;不当な引用、あるいは攻撃する方法において、個人の性格、容貌、あるいは個人的な生活に言及すること」とありました。また、「critical of a person's faults;個人の過失に対する批判」という表現もありました。これらからも、攻撃や批判などの対象は「相手」の個人的なことなんですね。
つまり、「nothing personal」は「(非難されるような)あなた個人に関わるものはない」で、「あなた個人を悪く言ってるわけではない」と解釈できそうです。
ちなみに「悪気はなかった」に関しては「研究社 話すためのアメリカ口語表現辞典」で「一番よく使われる」として、次の表現が挙げられていました。
「ニールには悪気はなかったんです。」
「Neal's heart was in the right place.(ニールの心は正しい場所にあった。)」
なるほど、これではニールの心に曲がったところや邪推、下心などはなかったようですね。

さて、いよいよ「crazy but not stupid」です。
爆弾を仕掛けられたエレベーターに13人の人質が閉じ込められています。残り時間は23分。人質を救い出せないのかとの隊員からの質問に、マック隊長は答えます。
「脱出ハッチにも起爆配線が施されてて、触れない。犯人(ホシ)はイカれ野郎だが利口だ。」(日本語字幕より)
「This is an express elevator. The only way in or out is through access panels. The bomber's also wired the hatch to trigger the bomb, which seats him in the 'crazy but not stupid' section.」(英語字幕より)

「crazy but not stupid」は2回出てきますが、最初のこのセリフでは、表現がひとひねりされてて、意外でした。
「express」は「高速の」。「access」は「入ること、通路、入り口」。「panel」は「小枠、板」。「bomber」は「爆破犯人」。「The bomber's also wired the hatch ~」は、「The bomber has also wired the hatch ~」。「hatch」は「出入り口、上げぶた、くぐり戸」。「trigger」は「引き金を引く、誘発する」。「bomb」は「爆弾」。「section」は「一区画」。
「これは高速エレベータだ。出入りの唯一の通路は、通用パネルだ。爆破犯人は、その上げぶたに起爆の配線をしている。このことは、犯人を”気狂いだがバカじゃない”区画に座らせることになる。」
英語的表現なので、やはり日本語にすると変ですが、こんな言い方するんだという楽しさを味わえるセリフでした。

「ugly」は「醜い」という単語として知っていました。ここでは思ってもみなかった使い方がされていたので、ご紹介します。
「じきハイウェイの入り口だ。キビしい右折だ。」
「キビしい?」
「何が?」
「工事現場の先を右折するんだ。あれだ。」
「行き止まりよ。ムリよ。」(日本語字幕より)
「You got an entrance coming up, Jack. It's gonna be a real ugly turn, though.」
「How ugly?」
「What's ugly?」
「We got a hard right coming up at the construction site. This should be it.」
「That's a dead end. I can't make that turn.」(英語字幕より)

「entrance」は「入り口」。「coming up」は「やって来る」で、「すぐに来る」の意味合いもあるようです。
この場合の「ugly」は、「物騒な、たちの悪い、やっかいな」の意味で使われているようです。
「turn」は「曲がること、折り返すこと」。「though」は「ではあるが、だけれども」。
「a hard right」については、「turn hard right [left]」で「急角度に右折(左折)する」という表現があることから、「急角度の右折」の意味になると思われます。
「a construction site」で「建設現場」という意味があります。「a dead end」で「行き止まり」の意味があるようです。
「じきにハイウェイの入り口だ。ほんとうにやっかいなターンになるが。」
「どれほどやっかいなんだ?」
「何がやっかい?」
「もうじき建設現場で急な右折になる。あれがそうに違いない。」
「あれは行き止まりよ。あんなターンはできない。」

空港でバスから脱出し、倒れ込んだまま抱き合ってるジャックとアニー。下になってるアニーが忠告を。
「あなたも泣くの?」
「どうかな。泣くかも。」
「異常な状況で結ばれた男女は、長続きしないのよ。」(日本語字幕より)
「You're not going to get mushy on me, are you?」
「Maybe. I think I might.」
「I hope not because relationships that start under intense circumstances never last.」(英語字幕より)

「mushy」は「感傷的な、涙もろい」。「relationship」は「(人と人との)関係」あるいは「恋愛関係」。「intense」は「極度の、強烈な」。「circumstance」は「周囲の事情、状況」。「last」は動詞で、「続く」。
「あなたは私に対して過度に感傷的になったりしない、そうなの?」
「たぶん。なってるみたい。」
「そうでないことを祈るわ。なぜって、強烈な状況下で始まった恋愛関係は、決して続かないのよ。」

脱線した上に地上に飛び出した地下鉄車両の中で、倒れ込んだまま抱き合ってる二人。下になってるジャックが忠告を。
「知ってるかい? 異常な状況で結ばれると、長続きしない。」
「それじゃ、セックスで結ばれましょ。」
「やってみよう。」(日本語字幕より)
「I have to warn you. I've heard relationships based on intense experiences never work.」
「Ok, we'll have to base it on sex, then.」
「Whatever you say, ma'am.」(英語字幕より)

「warn」は「警告する、注意する」。「base」は動詞で「基礎を持つ、基づく」。「experience」は「経験、体験」。
「君に警告しなくてはならない。強烈な体験を基にした恋愛関係は、決してうまくいかないと聞いたことがあるんだ。」
「いいわ、じゃあ、セックスを基にしなくちゃいけないわね。」
「なんでも君の言うように、お嬢さん。」

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