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「A revolution without dancing is a revolution not with worth having.」(「Vフォー・ヴェンデッタ」より)

MY DVD:「V FOR VENDETTA:Vフォー・ヴェンデッタ(2006年製作)」発売元:ワーナー・ホームビデオ DLW-82379

「Vフォー・ヴェンデッタ」。原作はコミックですが、台詞にはシェークスピアなどの引用が多く、高尚な内容の台詞で評価の高い作品のようです。加えて、物語の背景となるのが、イギリス歴史上の伝説の人物、ガイ・フォークス。”男”とか”奴”などの意味で使われ、”タフガイ”などで知られる、「ガイ」はこのガイ・フォークスの名から来ているというのですから、びっくりです。ちなみに、コミックと映画ではストーリーや設定などが違うようです。
物語は、近未来の独裁政治下のイギリス。細菌兵器によるテロをきっかけに、国民は平和と秩序を約束するサトラーを議長に選ぶが、それ以降全体主義国家の道を進んでいる。そこへ、ガイ・フォークスの仮面をつけた男”V”が現れる。彼はまず11月5日のガイ・フォークス・デイに最初の爆破テロを起こすのだが、1年後の同じ日、11月5日の議事堂爆破予告と国民の奮起を促しながら、次にはサトラー政府の要人を次々と殺し始める。彼はサトラー政府に復讐を行っているのだ。事件を追うのは、この政権下には珍しい気骨のある刑事フィンチ。彼の追求により、テロ事件は政府の隠された不正に深く関わっていることが明かされていく。そして、”V”と運命的な出会いをする女性イヴィ。彼女はこの物語の語り手である。
彼女は、物語の始め、ガイ・フォークスを紹介しながら、理念の強さと人間の弱さを訴える。しかし、彼女は理念を讃えながらも、人を尊ぶ大切さ、愛することの大切さを伝えようとしているかのようである。

イヴィが外出禁止令の出ている夜に外出し、悪徳巡回員に暴行を受けようとしたとき、Vが現れる。
悪人たちの振る舞いをまるで歌うかのように口ずさみながら、登場。日本にもありました。「一つ、人の世の生き血を啜り、二つ、不埒な悪行三昧、三つ、醜い浮き世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎」。失礼しました。
「その者、数々の悪事をまといし者なり。血糊の付いた太刀を持ち、高々と振りかぶる。殊勝な振る舞いで、己の悪魔を覆い隠すは人の常。」(日本語字幕より)
「The multiplying villainies of nature do swarm upon him. Disdaining fortune, with his brandish'd steel which smoked with bloody execution. We are oft to blame in this 'Tis too much proved. that with devotion's visage and pious action we do sugar o'er the devil himself. Spare the rod.」(英語字幕より)

イヴィに誰と問われ、仮面の者に無意味な質問とたしなめながら、「V」で始まる単語を46個使って自己紹介が行われます。
「ご覧の姿は道化師のもの。時に弱き者を、また時に悪しき者を演じることも。仮面はただの虚飾にあらず。もはや素顔をさらして歩ける世界でないゆえだ。しかし、この厄介者が再び姿を現したのは、世の悪をただすため。この腐った世界に、うごめくウジ虫を掃除する、そのために。そう、これは”血の復讐”だ。復讐の誓いは、今も生きている。悪を絶ち切り、自由をもたらすために。少々長い自己紹介になったようだ。」(日本語字幕より)
「Voila! In view, a humble vaudevillian veteran cast vicariously as both victim and villain by the vicissitudes of fate. This visage, no mere veneer of vanity is a vestige of the vox populi, now vacant, vanished. However, this valorous visitation of a bygone vexation stands vivified and has vowed to vanquish these venal and virulent vermin vanguarding vice and vouchsafing the violently vicious and voracious violation of volition. The only verdict is vengeance, a vendetta held as a votive not in vain, for the value and veracity of such shall one day vindicate the vigilant and the virtuous. Verily, this vichyssoise of verbiage veers most verbose. 」(英語字幕より)

では、46個の「V」ではじまる単語をご堪能ください。
1. voila:ほら
2. vaudevillian:寄席芸人の
3. veteran:経験豊富な人
4. vicariously:身代わりとして
5. victim:犠牲者
6. villain:悪人
7. vicissitude:移り変わり
8. visage:顔つき
9. veneer:うわべの飾り
10. vanity:虚栄心
11. vestige:痕跡、名残り
12. vox:vox populi:民の声、世論
13. vacant:からっぽの
14. vanish:消える、消滅する
15. valorous:勇敢な
16. visitation:訪問
17. vexation:苛立ち
18. vivify:生き返らせる、生き生きさせる
19. vow:誓う
20. vanquish:打ち破る、打ち負かす
21. venal:金銭次第の、金目当ての
22. virulent:悪意に満ちた
23. vermin:社会の害虫、人間のくずども
24. vanguard:先頭に立つ、指導する
25. vice:悪
26. vouchsafe:与える、授ける
27. violently:激しく、手荒に
28. vicious:悪意のある、邪悪な
29. voracious:旺盛な、どん欲な
30. violation:違反行為、暴行
31. volition:意志作用、意志
32. verdict:評決、決定
33. vengeance:復讐、名誉回復
34. vendetta:復讐、敵討ち
35. votive:自由意志による、奉納されたもの
36. vain:in vain:むだに
37. value:価値
38. veracity:誠実さ、真実性
39. vindicate:避難の不当性を立証する、正当性を立証する
40. vigilant:絶えず警戒している、油断のない
41. virtuous:徳の高い、高潔な
42. verily:本当に、実際は
43. vichyssoise:ビシソワーズ(ジャガイモで作る冷たいクリームスープ)
44. verbiage:冗長、言い回し
45. veer:向きを変える
46. verbose:言葉数が多い、くどい

しりとりなら、「V」で始まる言葉では誰にも負けないって感じですね。未熟ながら、訳に挑戦してみました。
「やあ、ご覧いただくは、卑しき老練の道化師。運命のいたずらにより被害者と加害者のいずれにも身代わって演ずるものなり。この仮面は、世論の名残りにて、ただの虚飾にあらずも、今は中身も失せ、消滅せり。しかしして、いにしえの厄介者が命を得て、勇ましく再来せしは、誓いを立てたため。悪を導き、甚だしい邪悪と暴力を欲して止まぬ心を与えんとする、これら金目当ての悪意に満ちた、世のダニどもを打ち破らんや! この決意こそ復讐なり。無駄となることのない自由意志として執り行われる復讐なり。なぜなら、このような価値あるものごとと誠実さは、いつの日か、絶え間ない警戒心と高潔さの正当性を立証するに違いないからである。まったく、言い回しのポテトクリームスープはほとんどくどいものになってしまったようだ。」

ここに登場する「V」で始まる言葉はその多くががフランス語を語源とするもののようです。おもしろいですね。かつてフランスが力を持ち、世界の文化の中心であったことを物語っていると思います。
蛇足というものになるでしょうが、次の「very」を入れると、47個になります。
「要するに、簡単に”V”と呼んでいただければ結構だ。」(日本語字幕より)
「So let me simply add that it's my very good honor to meet you and you may call me V.」(英語字幕より)

サトラー議長のためのバターを盗んだことを、「You're insane.:正気じゃない」と言われたVは、マクベスの言葉を借ります。
「男となるに必要ならば、何でもやろう。」(日本語字幕より)
「I dare do all that may become a man. Who dares more is none.」(英語字幕より)
「男とならせるものはすべてやろう。しかしやり過ぎは何も生みはしない。」って感じでしょうか。

巌窟王の映画を見終わった二人なのですが、感想は微妙に食い違うのでした。
「自分の木を探せ。気に入った?」
「ええ。でも、メルセデスがかわいそう。」
「なぜ?」
「彼は復讐を優先したから。」(日本語字幕より)
「You find your own tree. Did you like it?」
「Yeah. But it made me feel sorry for Mercedes.」
「Why?」
「Because he cared more about revenge than he did about her.」(英語字幕より)
そうですよね。理念は理念のうちは良いのですけれど、復讐となりますとね。それほど肯定できるものではなくなってきますよね。そんな復讐を自分より大切にしたとなると、受け入れられないものがあるでしょう。

ニュース報道から、新たな殺人があったことを直感するイヴィは、Vがなにか関わっていると考えます。
「真実を知りたいか?」
「この事件と何か関係が?」
「私が殺した。」
「そんな、何てことを。」
(「うろたえてるね。」)
「プロセロを殺したのよ。」
「君を襲った男たちを殺しても不満か?」
(「なに?」)
「”正義の鉄拳”もある。」
「何のこと?」
「裁きさ。」
「なるほど。」
「法廷が機能しないからだ。」
「もっと殺す気なの?」
「そうだ。」(日本語字幕より)
「Would you prefer a lie or the truth?」
「Did you have anything to do with that?」
「Yes, I killed him.」
「You... Oh, God.」
「You're upset.」
「I'm upset? You just said you killed Lewis Prothero.」
「I might have killed the Fingermen that attacked you. I heard no objection.」
「What?」
「Violence can be used for good.」
「What are you talking about?」
「Justice.」
「Oh, I see.」
「There's no court in this country for men like Prothero.」
「And are you going to kill more people?」
「Yes.」(英語字幕より)
「きみは、ウソを好むかね、それとも真実?」
「この事件にかかわって何かやったの?」
「そうだ、私が彼を殺した。」
「あなた、ああ、神様。」
「うろたえてるね。」
「うろたえる? あなた、たった今プロセロを殺したと言ったのよ。」
「私はきみを襲ったフィンガーマンたちを殺さねばならなかった。異議申し立ては聞かなかったが。」
「なに?」
「暴力はいいことにも使うことができる。」
「なんのことを言ってるの?」
「正義だ。」
「ああ、なるほど。」
「プロセロのような男たちのための法廷がこの国にはないのだ。」
「そして、あなたはもっと人を殺すつもりなのね。」
「そうだ。」
女性は命を宿し、命を育みます。人を殺す? 受け入れられるものではありません。いや女性でなくてもこうは言えるでしょう。人を殺すことに躊躇がなくなったら、人は人でなくなり始めてる。いや、地球上で最も互いを殺し合っているのは人間です。私には肉親や愛する者を奪われた経験はありません。それでも人を憎むことがあります。人は人をあやめる可能性のある生き物なのかも知れません。だからこそ、イヴィのように人を殺すことを非難する存在が必要でしょう。

ある日、イヴィは自分の家族のことを話します。
「父は作家だった。よく言ってたわ。”政治家はウソを語り、作家はウソで真実を語る”と。」
「その考えに賛成だ。」(日本語字幕より)
「My father was a writer. You would have liked him. He used to say artists used lies to tell the truth while politicians used them to cover the truth up.」
「A man after my own heart.」(英語字幕より)
「cover up」は他動詞の成句として、「隠す」の意。「after O's (own) heart」で「気に入った、心にかなった」の意。
「私の父は作家だった。あなたも父を気に入ったはずよ。彼はよく言ってた。芸術家は真実を語るためウソをつくが、政治家は真実を隠すためにウソをつく。」
「私の心にかなった方だ。」

イヴィの幼い弟の死をきっかけに、彼女の両親は活動家となります。彼女が心配するなか、両親は捕らえられ、帰らぬ身となりました。
イヴィは自分が強い人間になりたいと言います。強くなること、勇気を持つこと。それがイヴィにとって、両親や弟の死を受け入れ、乗り越える方法なのかも知れません。
「かわいそうに。」
「私は悔しい。父や母みたいに、強い人間じゃないのが。悔しい。怖がってはいけないけど、怖い。社会が異常なのは、誰よりも知っている。さっきの頼みだけど、もし、私で役に立つなら、手伝わせて。」
「お望みなら。」(日本語字幕より)
「I'm sorry, Evey.」
「No, I'm the one that's sorry. Sorry I'm not a stronger person. Sorry I'm not like my parents. I wish I was, but I'm not. I wish I wasn't afraid all the time, but I am. I know this world is screwed up. Believe me, I know it better than most. Which is why I wanted to ask, if there is anything I can do to help make it right, please let me know.」
「If you wish.」(英語字幕より)
「気の毒だったね、イヴィ。」
「いいえ、私はそれを残念とする者よ。もっと強い人間でないのが残念。両親のようでないことが残念。そうでありたいと願ったけど、そうじゃなかった。常に恐れないでいたかったけど、恐ろしかった。世界が奪い取られているのは知ってるわ。信じて、誰よりもよく知ってる。そこのところが、私が頼みたいわけだけど、私に世界を正すのに何かできることがあるのなら、どうか私に教えて。」
「君が望むなら。」

ラテン語と思われる、「V」で始まる言葉が鏡に刻まれています。ここではイヴィはVのこだわりを軽くあしらってます。
「ヴィ、ヴェリ、ヴェニヴァルサム、ヴィヴス、ヴィシ。」
「真実の力により、我、宇宙を制服せり。」
「座右の銘?」
「ファウストだ。」
「悪魔をダマす話でしょ?」
「そう言えば、手助けの話は、まだ生きているのかな?」
(「もちろんよ。」)(日本語字幕より)
「Vi Veri Veniversum Vivus Vici」
「By the power of truth, I, while living have conquered the universe.」
「Personal motto?」
「From Faust.」
「That's about trying to cheat the devil, isn't it?」
「It is. And speaking of the devil, I was wondering if your offer to help was still standing.」
「Of course.」(英語字幕より)
Vの手伝いを申し出て、要請を受けたイヴィでしたが、司教の命を奪うことを受け入れたわけではなかったようです。むしろ、社会の敵かも知れぬ司教に真実を伝え、また自分の罪も許してもらおうとします。このときのどこか盲目的な彼女の行動は、あたかも父の愛を求める幼い少女のようです。一方、かの司教は神ではなく、悪魔に使える魂の主でした。彼女の、その得難くて彼女そのもののような良心は、受け入れられませんでした。イヴィは両親を失ったときのように、居場所を失い、心のよりどころも失ってしまいました。
ゴードンの家でわずかな間落ち着きを取り戻しかけますが、それも無残に奪われてしまいます。しかも、今度は自らがとらわれの身となります。

イヴィは独房で、壁の片隅の割れ目の中にヴァレリーという女性が残した手記を見つけます。イヴィは過酷な孤独にあって、彼女の手記を砂漠で見つけたわき水であるかの如く求め、呼吸するかのように読み返し、赤子が飲み込んだ母乳のように吸収したのでした。ヴァレリーの言葉はイヴィの血となり肉となり、精神となったのでした。
「こんなひどい所で死ぬなんて。でも、私には幸せなバラの3年間があった。私はここで死ぬ。私の体が消えても、残るものがある。一つだけ。”真実”。それは小さく壊れやすい。でも唯一価値のあるもの。失ってはいけない。奪われてもいけない。あなたが誰であれ、逃げてほしい。世界が正常に戻ってほしい。でも、一番の願いは、理解してもらうこと。会ったこともない、あなたに。顔を見ることもない、一緒に笑ったり、泣いたり、キスもできない。でも、あなたを、心の底から愛してるわ。ヴァレリー。」(日本語字幕より)
「It seems strange that my life should end in such a terrible place. But for three years, I had roses and apologized to no one. I shall die here. Every inch of me shall perish. Every inch but one. An inch. It is small, and it is fragile and it is the only thing in the world worth having. We must never lose it or give it away. We must never let them take it from us. I hope that, whoever you are, you escape this place. I hope that the world turns and that things get better. But what I hope most of all is that you understand what I mean when I tell you that even though I do not know you and even though I may never meet you laugh with you, cry with you or kiss you, I love you. With all my heart I love you. Valerie.」(英語字幕より)
「こんなひどい場所で私の人生が終らねばならぬとは奇妙な感じ。しかし、私にはバラがあって、誰にもわびる必要のない3年間があった。私はここで死ぬでしょう。私のどんな細かな部分も消滅する。どんな細かな部分も、ただひとつを除いて。1インチ。それは小さく、壊れやすい。そしてそれは持てるものの中で、唯一世界で価値のあるもの。決して失ってはいけない。あるいは譲ってもいけない。決して奪われてはいけない。あなたが誰であれ、この場所から逃げて欲しい。世界が変化して、物事がより良くなって欲しい。でも、何よりも願っているのは、私が次のように言ったとき、私が意味していることを理解してくれること。たとえあなたを知らなくても、たとえあなたと笑いあうことも、泣くことも、キスすることもないとしても、あなたを愛しています。私の心すべてをかけて、あなたを愛しています。ヴァレリー。」

イヴィは命より、魂が導く示すべき態度を選択します。
しかし、イヴィは突如解放されます。なにもかもが、Vの作った”ウソ”だったのです。
「大嫌い! 憎んでやる!」
「それだ! 私には”憎しみ”しかなかった。私の世界すべてを”憎しみ”が支えていた。”憎しみ”の中で死ぬはずだった。だが、何かが起きた。私の中で、君と同じように。」
「黙ってよ! ウソはたくさん!」
「”作家はウソで真実を語る”、君の父上の言葉だ。君をダマした。だが、そのお陰で、君は自分を見つけた。」
「違う。」
「君は恐怖を克服した。本当の自分を見つけたんだ。」
「もう何も分からないわ!」
「逃げるな。君は逃げ続けてきた。」
「苦しい。息ができない。ぜん息が、子供の時。」
「聞きなさい。人生で一番大事な時だ。向き合え。彼らは君の両親を奪い、弟を奪った。君を施設に押し込め、命以外のすべてを奪った。命しかないと思ったはずだ。だが間違いだった。そうだな?」
「もうやめて。」
「まだあったのだ。命より大事なものを見つけたのだろ? だから、協力すれば助かる時でも、死を選んだのだ。死に直面しても、みじんも動かなかった。その気持ちを思い出せ。」
「どうしよう。私。」
(「うん。」)
「目が回る。空気を。お願い。外へ行きたい。」(日本語字幕より)
「Leave me alone! I hate you!」
「That's it! See, at first, I thought it was hate too. Hate was all I knew. It built my world, imprisoned me, taught me how to eat, how to drink, how to breathe. I thought I'd die with all the hate in my veins. But then something happened. It happened to me just as it happened to you.」
「Shut up! I don't want to hear your lies!」
「Your own father said that artists use lies to tell the truth. Yes, I created a lie. But Because you believed it, you found something true about yourself.」
「No.」
「What was true in that cell is true now. What you felt in there has nothing to do with me.」
「I can't feel anything anymore!」
「Don't run from it, Evey. You've been running all your life.」
「I can't... Can't breathe. Asthma. When I was little...」
「Listen to me, Evey. This may be the most important moment of your life. Commit to it. They took your parents from you. They took your brother from you. They put you in a cell and took everything they could take except your life. And you believed that was all there was, didn't you? The only thing you had left was your life, but it wasn't.」
「Oh, please.」
「You found something else. In that cell, you found something that mattered more to you than life. When they threatened to kill you unless you gave what they wanted you told them you'd rather die. You faced your death, Evey. You were calm. You were still. Try to feel now what you felt then.」
「Oh, God. I felt...」
「Yes?」
「I'm dizzy. I need air. Please, I need to be outside.」(英語字幕より)
「ほっといて! あなたなんか嫌いよ!」
「それだ! そう、最初、私が考えたのも憎しみだった。憎しみこそ私が知っているすべてだった。憎しみが私の世界を作った。憎しみが私を閉じ込めたのだ。憎しみが私に食べ方を教え、飲み方を教え、息の仕方を教えたのだ。私は私の血管を埋め尽くす憎しみによって死ぬのだと思った。しかし、何かが私に起こった。君に起こったように。」
「黙りなさい! あなたのウソなど聞きたくない!」
「君自身の父君が芸術家は真実を語るためにウソをつくと言った。そう、私はウソを作り上げた。しかし君こそ信じてるはずだ。君が自分についてなんらかの真実を見つけたことを。」
「いいえ。」
「あの独房の中で見つけた真実は今も真実だ。あそこで君が感じたことは、私とは関係ないものだ。」
「私はもう何も感じないわ!」
「逃げないで、イヴィ。これまでの人生逃げ続けたじゃないか。」
「私、息ができない。ぜん息。私、小さい頃。」
「聞いてくれ、イヴィ。今が君の人生で最も大切な時だ。心を注ぐんだ。彼らは君から両親を奪った。彼らは君から弟を奪った。彼らは君を部屋に閉じ込め、命以外のすべてを奪った。そして君はそこにあったものがすべてと信じた。そうだろ? 君に残された唯一のものは、君の命だと。しかし、そうじゃなかった。」
「ああ、お願い。」
「あの部屋で君は何かほかのものを見つけた。君にとって命よりもっと重要な何かを見つけたんだ。彼らが彼らの望むものを与えなければ、君を殺すと脅したとき、君はむしろ死ぬ方がよいと彼らに言った。君は君の死と向き合ったんだ、イヴィ。君は平静だった。君は平穏だった。あのとき感じたことを今感じるんだ。」
「ああ、神よ。私、感じる。」
「うん。」
「目が回る。空気を。お願い、外に。」
興奮するVになりかわって申したいことがあります。決してイヴィは死を選んだのではなく、あくまで命よりも重要なものを選んだのだと。

イヴィはVのもとを去ることを決心します。
Vは、ウソの中の真実であったものをイヴィに見せます。ヴァレリーもヴァレリーの手記も真実だったのです。
「死ぬ直前に書かれ、君と同じように手に入れたのだ。」
「事実だったのね。」
「そう。」
「隣の独房に。そういうことだったの。復讐なのね、彼女とあなた自身の。」
「奴らが私を創った。宇宙の法則だ。”作用には必ず反作用がある。”」
「それがあなたの考え方?」
「彼らがしたことは、」
「怪物を創った。」(日本語字幕より)
「She wrote the letter just before she died. And I delivered it to you as it had been delivered to me.」
「Then it really happened, didn't it?」
「Yes.」
「You were in the cell next to her. And that's what this is all about. You're getting back at them for what they did to her. And to you.」
「What was done to me created me. It's a basic principle of the universe that every action will create an equal and opposing reaction.」
「Is that how you see it? Like an equation?」
「What was done to me was monstrous.」
「And they created a monster.」(英語字幕より)
最後の2つの言葉を取り上げてみます。
「私になされたことは、極悪非道なことだった。」
「そして、彼らは怪物を創った。」
Vはイヴィに1年後11月5日の前に会ってくれることを申し込んだのでした。

1年後イヴィは約束を守って、Vの前に現れます。
「君に贈り物があるんだ。だが、それを渡す前に、ひとつ頼みがある。踊ってくれないか?」
「今から? 革命前夜に?」
「ダンスのない革命など、革命に値しない。」
「喜んで。」(日本語字幕より)
「I have a gift for you, Evey, but before I give it to you, I'd like to ask you something. Would you dance with me?」
「Now? On the eve of your revolution?」
「A revolution without dancing is a revolution not with worth having.」
「I'd love to.」(英語字幕より)
ダンスは、Vがイヴィにプロボーズしたのだと思います。

「もう時間だ。」
「仮面を配ったわね。そこら中、あなただらけ。」
「正体を隠すのを手伝って、変装がうまくいくように。」
「十二夜の、」
「ヴァイオラだ。」
「でも、どうして?」
(「なにが?」)
「私の人生を変えたあなたのことを、私は何も知らない。生まれた場所、ご両親のこと、あなたの兄弟のこと。あなたの顔さえ知らない。」
「いけない。この仮面の下の顔は、私ではない。顔の下の筋肉も、その下の骨も、私とは違う。」
「分かった。」
「ありがとう。」(日本語字幕より)
「It's nearly time.」
「The masks were ingenious. It was strange to suddenly see your face everywhere.」
「Conceal me what I am, and be my aid for such disguise as haply shall become the form of my intent.」
「Twelfth Night.」
「Viola.」
「I don't understand.」
「What?」
「How you can be one of the most important things that has happened to me and yet I know almost nothing about you. I don't know where you were born, who your parents were if you had any brothers or sisters. I don't even know what you really look like.」
「Evey, please. There is a face beneath this mask but it's not me. I'm no more that face than I am the muscles beneath it or the bones beneath them.」
「I understand.」
「Thank you.」(英語字幕より)
Vは、あたかも理念そのものであるかのように、抱くことも、キスすることもできない存在だったのかも知れません。

「この線路は議事堂に。」
「そうだ。」
「本当に爆破するのね。」
「それは君の決断次第だ。」
(「え?」)
「これが贈り物だ。私の家、書籍、画廊、そしてこの列車。すべてを君に委ねたい。」
「またダマすの?」
「いや、もうダマさない。ウソもない。真実のみ。今までの私は間違っていた。それを教えてくれた君に、このレバーを委ねる。」
「なぜ?」
「なぜなら、私や彼らを生み出した古い世界は、今夜終焉を迎えるからだ。明日から世界は変わる。だから、このレバーは新世代に委ねる。」(日本語字幕より)
「These tracks lead to Parliament.」
「Yes.」
「Then it's really going to happen, isn't it?」
「It will if you want it to.」
「What?」
「This is my gift to you, Evey. Everything that I have: my home, my books, the gallery, this train. I'm leaving to you to do with what you will.」
「Is this another trick, V?」
「No. No more tricks. No more lies. Only truth. And the truth is, you made me understand that I was wrong that the choice to pull this lever is not mine to make.」
「Why?」
「Because this world , the world that I'm a part of and that I helped shape, will end tonight. And tomorrow, a different world will begin that different people will shape, and this choice belongs to them.」(英語字幕より)
Vは、イヴィを通じて、新しい世界を担う新世代の人々を信じることができたのかも知れません。あるいは愛することができたのかも知れません。あるいはまた、自分が固執していたものを手放すことができたのかも知れません。
「なぜなら、この世界は、私が属し、私が形作ることに手を貸した世界だが、今夜終わりを告げる。そして明日、新たな人々が形作る新たな世界が始まる。そしてこの選択もその者たちに属するものだ。」

Vは復讐の仕上げに出向こうとします。
「どこへ行くの?」
「創造主と対面する時間だ。借りを返さねばならない。」
「待って! 復讐は忘れて。一緒に行きましょ。」
「以前、君が言ったことは正しい。私は怪物なのだ。望むものは、このトンネルの先にある。」
「違うわ。」(日本語字幕より)
「Where are you going?」
「The time has come for me to meet my maker and to repay him in kind for all that he's done.」
「V, wait! Please, you don't have to do this. You could let it go. We could leave here together.」
「No. You were right about what I am. I have no tree waiting for me. All I want, all I deserve, is at the end of that tunnel.」
「That's not true.」(英語字幕より)
Vの「私を待ってくれる木はどこにもなく、私が欲するものすべてはトンネルの先にある」に対するイヴィの、「それは真実じゃない」という指摘は、正しいのだと思います。
Vはイヴィが待ってくれることを知っていたはずです。帰るところは、イヴィの胸の中と決めていたはずです。イヴィと生きれば新たな世界を知ることができたでしょう。
しかし、それはもともとなかったもの。すべてこの日のために生きてきたが、最後に憎しみに満たされない恵みを得たのは、イヴィのお陰だ。Vの復讐はいつしか使命に変わったのかも知れません。イヴィにより良い世界を渡すと言う。

「なぜ死なん?」
「仮面の下にあるのは、”理念”だからさ、クリーディー君。理念は決して死なない。」(日本語字幕より)
「Why won' you die?」
「Beneath this mask there is more than flesh. Beneath this mask there is an idea, Mr. Creedy. And ideas are bulletproof.」(英語字幕より)
命を超えたもの。そして今は真に復讐を超えたもの。理念は倒すことができない。
「仮面の下には肉体を超えたものがある。仮面の下にあるのは理念だ、クリーディー君。そして、理念に弾丸は通じない。」

Vは最後にイヴィと共に世界を生きます。愛に満ちた世界です。
「20年間、この日を待ち望んだ。このために生きた。だが君と出会って、すべてが変わった。君に恋したのだ。あり得ないことだった。」
「死なないで。」
「それが、君が私にくれた最上の贈り物だ。」(日本語字幕より)
「For 20 years I sought only this day. Nothing else existed until I saw you. Then everything changed. I fell in love with you, Evey like I no longer believed I could.」
「V, I don't want you to die.」
「That's the most beautiful thing you could have ever given me.」(英語字幕より)

議事堂を爆破するためのレバーをイヴィは引こうとします。やめさせようとするフィンチ刑事の言葉にも動じることがありません。Vが正しいと主張します。Vはシンボルが必要だと言いました。イヴィはそれが”希望”と言うシンボルだと確信していました。
「終わったのか?」
「まだよ。」
「やめろ。手を離せ。」
「イヤよ。」
「何のために?」
「彼のため。」
「どうして?」
「必要なのは、建物じゃなくて、”希望”だから。」(日本語字幕より)
「Then it's over?」
「Almost.」
「Stop. Get your hand off that lever.」
「No.」
「Why are you doing this?」
「Because he was right.」
「About what?」
「That this country needs more than a building right now. It needs hope.」(英語字幕より)

「この国の人々は、この夜を忘れないだろう。そして、私は決して彼を忘れない。」(日本語字幕より)
「No one will ever forget that night and what it meant for this country. But I will never forget the man and what he meant to me.」(英語字幕より)
「今宵を忘れる者はいないだろう。そしてこれがこの国にとって意味することを。しかし、私はこの男のことを忘れないだろう。そして彼が私に意味したことも。」

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