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「I'm just one stomach flu away from my goal weight.」(「プラウダを着た悪魔」特別編より)

My DVD:「THE DEVIL WEARS PRADA:プラウダを着た悪魔(2006年製作)」発売元フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社

「プラウダを着た悪魔」を見ました。楽しむことができたし、また会社勤めの私にとって考えさせられる部分もありました。ただ、余計なことですが、「悪魔のような」は、上司だけでなくお客様の中にもいるのですけどね。
アンディの採用が決まった日、乾杯の音頭はこうです。
「”家賃稼ぎの仕事”に」
「To jobs that pay the rent.」
まあ、雇う側から見ると、「とんでもない奴ら」になってしまうのかもしれまんね。とにかくアンディたちは、自分の真の夢を実現するためのステップとして、職につくわけです。若いときはなかなか自己実現は難しいものですが、しかし夢をあきらめず、一歩踏み出すということなんですね。そして、仕事の厳しさを知る。次に仕事の楽しさを知る。と、アンディの目線で物語に入りつつ、実はエミリーに引かれたりしています。意地悪そうで、でも仕事はできそうで、しかし「あんたそれでいいの? 大丈夫?」って思わせるようなところが、人間臭くていい感じなんですね。
少しへそ曲がりですが、しばらくエミリーの語録を追いながら、物語を辿ってみます。

「人事部の悪い冗談かしら。ついてきて。」
「Great. Human Resources certainly has an odd sense of humor. Follow me.」
「odd」を辞書で引くと、(strangeより突飛さを強調)ってありましたから、「奇妙な、途方もない」という感じが良くわかります。エミリーがアンディのダサい姿を見たときの困惑を物語ってます。

「ミランダって?」
「ウソでしょ。本気で聞いているの? 彼女は”ランウェイ”の編集長で、伝説的存在よ。ここで1年働けば、どこでも通用する。何百万人もの憧れの仕事。」
「すごい。ぜひ採用されたいわ。」
「アンドレア、”ランウェイ”はファッション誌よ。ファッションに興味がなくては。」
「私が興味ないと思う?」
「Who's Miranda?」
「Oh, my God. I will pretend you did not just ask me that. She's the editor in chief of Runway. Not to mention, a legend. Work a year for her and you can get a job at any magazine you want. A million girls would kill for this.」
「It sounds like a great opportunity. I'd love to be considered.」
「Andrea, Runway is a fashion magazine, so an interest in fashion is crucial.」
「What makes you think I'm not interested in fashion?」
字幕でここのように「本気で聞いているの?」って見ると、英語でなんて言ってるんだろうと思います。すると、よく予想外の表現に出会うことがあります。ここもそうです。「pretend」は「ふりをする」。つまり「I will pretend you did not just ask me that.」は、「あんたがそんなことを私に聞かなかったというふりをしましょう。」ということで、「信じられない」とか「あり得ない」とか、「耳を疑う」・「誰かに聞かれたらどんなにまずいか」という感じがありますね。「本気で聞いているの?」は、エミリーらしさが表現された訳ですね。
「not to mention」は「言うまでもなく」です。「何百万人もの憧れの仕事」ってところは、以外にも「百万人の少女がこの(仕事の)ために人殺し(すら)する。」って表現でした。
「an interest in fashion is crucial.」の「crucial」は、「欠くことのできない、必須の」という意味です。
アンディの最後の質問は、英語らしい表現でした。「何が、あなたを、私がファッションに興味がないと思わせるの?」 面接のために服装もキメて来たはずなのに、「なんで? 何が悪いの?」って感じでしょうか。

「存在は無視して。」
「That I can't even talk about.」
「なんだこいつ」って感じでアンディのことを聞かれて、「語ることすらできないわ(カンベンして)」って言われてます。

「みんな、戦闘態勢に入れ!」
「All right, everyone. Gird you loins!」
「loins」は「loin」の複数形で、「生殖器」や「股」を意味するようです。成句に「gird one's loins」で「(困難なことに)身構える」とありました。”戦闘態勢”とは突飛な感じですが、あとのシーンを見ると、この表現がぴったりですね。

「その子は?」
「誰でもないです。第2アシスタントの面接に来た子なんですけど。問題外です。」
「Who is that?」
「Nobody. Well, Human Resources sent her up about the new assistant job. I was sort of preinterviewing her for you. But she's hopeless and totally wrong for this.」
DVDの未公開シーン集によると、エミリーはミランダがアンディに気が付かないことを願っていたようですが、きっちり見つけられてしまいましたね。
「sort of」は不思議な成句で、動詞・形容詞・副詞の前に置かれて、「多少、いくらか」という曖昧な意味を持つようです。ですから、「I was sort of preinterviewing her for you.」は、「あなたのために、ちょっと彼女を前もって面接しておこうとしてたんです。」と、はぐらかす感じがあるようです。「kind of」と比較すると良いようです。逆に強調する表現で、「the hell out of」というのもあります。これは意味を強める役目で使われ、「ものすごく、最高に、強烈に」という意味があります。
「ミッション・トゥ・マーズ」の中で
「When Maggie died, it knocked the hell out of him, it knocked the hell out of all of us.」
「(妻)マギーの死はあいつにも、我々にもショックでした。」(日本語字幕より)
とありましたし、同様に、「プライベート・ライアン」にも使われていました。やっと、救うべきライアン(マット・デイモン)を見つけたとき、戦況を伺う会話の中です。
「They came in and beat the hell out of us with 88s.」
これは、敵のドイツ軍が「88」という機関銃で、攻撃してきて、こっぴどくやられたことを説明してます。
動詞と目的語の間に置かれて使われますが、「the」は必ずしも必要ではなく、「knock [beat] hell out of」でも同じです。また「hell:地獄」という単語を使ってますが、否定的な表現だけではないようです。「have the hell out of a time」で「ひどくいい思いをする」となります。
否定的と言えば、エミリーのこの最後の言葉もすごく否定的ですね。「totally」って「まったく」って意味ですから、「見込みもなければ、(この仕事には)まったく場間違いです。」って言ってます。エミリーの中では、アンディはとうの昔に終わっているようです。悪魔のような上司のもとで働いているうちに、エミリーにも悪魔が伝染してきているのかも知れませんね。

「やっとご登場。この仕事は難しいのよ。あなたがミスれば、私のクビが飛ぶんだから。それをさっさとしまって。」
「Oh, about bloody time. I hope you know this is a very dfficult job for which you are totally wrong. If you mess up, my head is on the chopping block. Now, hang that up. Don't just fling it anywhere.」
「about bloody time:そろそろ血を見る時ね」ってすごい表現ですが、日常的に使ってるのでしょう。アンディを鍛えなきゃというエミリーの気持ちの表れでしょうか。
次のセリフは、よくスラスラ言えるなと思えるような2重3重の構造になってます。
「I hope」で後の内容を「願って」ます。
「you know」で後の内容を「理解する」。
「this is a very difficult job」で、「これはとても難しい仕事」。
「for which」以下は「job」を説明しています。さっきの文章を思い出してください。「she's hopeless and totally wrong for this」の後半だけを取り上げると、
「she's totally wrong for this.」
となります。主語を「you」に変えます。
「you are totally wrong for this.」
「this」は、この中では「job」のことなので、
「you are totally wrong for job.」
となります。そこで二つの文章を並べてみます。
「this is a very difficult job. you are totally wrong for job.」
この二つの文章を「job」が同じものであることから、「which」を使ってつなぎます。まず後の文章の中の「job」に「which」をあてがってみます。
「this is a very difficult job. you are totally wrong for which.」
「which」でつなげてみます。
「this is a very difficult job which you are totally wrong for.」
私の中ではこれで終わりなのですが、さらに「which」に、文章の最後に取り残されている「for」を付けてあげます。
「this is a very difficult job for which you are totally wrong .」

どうして、同じ言葉なのに、日本語と英語はこうも違うのでしょうか。そう言えば、かなり違いますが、似た感覚で、「For what?:なんのため?」や「Like what?:どんな?」というのがあります。「スターゲイト」では、スターゲイトの謎を探りに来たカート・ラッセルは、命からがら子供たちに助けられたのですが、その子供たちを否定します。
「役に立ちますよ。」
「何の?」
「Anyway, we could sure use their help right now.」
「For what? Huh? To do what?」
この言葉の底には、彼だけの知られざる特殊任務と、彼の息子が拳銃で誤って死んでしまったことが関わっています。
一方「フィフス・エレメント」では、ブルース・ウィルスが密かに愛している、フィフス・エレメントであるミラ・ジョヴォヴィッチがコンピュータで人類の歴史を学んでいることを知ります。アルファベット順で、次は”V”と聞きます。
「"V"には、いい言葉がある。」
「どんな?」
「勇気。傷つく。とても美しい。」
「"V" is good. Some very good words in "V".」
「Like what?」
「Valiant. Vulnerable. Very beautiful.」
最後の「Very beautiful」は明らかにミラのことを言っているわけで、とっても好きな場面でもあります。

さて、話を戻しましょう。次に字幕で「あなたがミスれば、」とあったので、「If you mess up,」は「miss」の間違いかと思いましたが、「mess up」で「失敗する」ということでた。そして、「the chopping block」は「まな板」のことで、「my head is on the chopping block」は「私の首がまな板に乗るのよ」って言ってます。「chop」は、おのやなたでたたき切ることを意味してます。「ジャイアント馬場の空手チョップ」のチョップですね。
次の「Now, hang that up.」は「(アンディが手に持っている)コートを掛けなさい」。「Don't just fling it anywhere」は、「それをその辺に脱ぎ散らかさないで」です。.


「私がいない間は、デスクに張り付いていて。」
「もし私が。」
「以前、カッターで手を切って席を外した子が、ラガ−フェルドからの電話を取り損ねたの。その子は飛ばされたわ。」
「デスクを死守します。」
「If I'm not here, Andrea, Andrea. Andrea, you are chained to that desk.」
「Well, what if I need to?」
「What? No. One time, an assistant left the desk because she sliced her hand open with a letter opener, and Miranda missed Lagerfeld just before he boarded a 17-「hour flight to Australia. She now works at TV Guide.」
「Man the desk at all time, got it.」
ここも面白いところですね。直訳してみます。
「私がいないときは、あなたデスクに鎖でつがながれているのよ。」
「もし私が?」
「なに? だめ。一度、アシスタントがレターナイフで手を切って席を離れたときがあったわ、そのおかげでミランダはオーストラリアへ行く17時間のフライトに乗る直前のラガーフェルドからの電話を取り損ねたの。その子は今テレビガイドで働いているわ。」
「片時もデスクから離れない。了解です。」
「man」が動詞になると、「配置する」や「位置(任務)につく」という意味になるようです。「死守」って感じがでてますよね。

「いいこと。あなたの仕事はコーヒーの手配や雑用よ。私は彼女のスケジュールやアポ、経費を管理する。秋のコレクション・シーズンはパリに同行するの。オートクチュールを着て、パーティーへ。デザイナーにも会う。最高よ。」
「Remember, you and I have totally defferent jobs. I mean, you get coffee and you run errands. I am in charge of her schedule her appointments and her expenses and most importantly, I get to go with her to Paris for Fashion Week in the fall.I get to wear couture. I go to all the shows and partes. I meat all of the designers. It's divine.」
「errand」は「使い走り」です。
「divine」には「神のような」という意味があって、ここでは「完全な」とか「並はずれてすぐれた」という意味で使われているようです。彼女の憧れがよく表されている言葉ですね。
あと、「couture」はオートクチュールみたいですね。

アンディはまだ本の見本をミランダに届ける役をもらえないと説明するところ。
「あなたが変質者じゃないと分かるまで」
「 So until she decides that you're not a total psycho. 」
どこって覚えているわけではありませんが、変質者とか異常人物って、だいたい「a total psycho」って呼ばれますね。

「カルバン・クラインへ行って。」
「私が?」
「あら、先約があるの? ”ダサいスカート大会”に出席?」
「Right. I will deal with all of this, and you will go to Calvin Klein.」
「Me?」
「Oh, I'm sorry. Do you have some prior commitment? Some hideous -skirt convention you have to go to?」
「hideous」には、「恐ろしい、ぞっとする;ひどく醜い」っていうおぞましい意味があります。きついですね。

「何やってたの。オシッコ我慢してたのよ!」
「ずっと?」
「デスクを守っていたのよ。漏れそう。」
「Oh, my God.What took you so long? I have to pee.」
「You haven't peed since I left?」
「No. Been manning the desk, haven't I? I'm bursting.」
あはは。すごい会話ですね。
「私がオフィスを去ってからずっと行かなかったの?」
「違うでしょ。デスクを守ってたんじゃない。破裂しそう。」
日本語でも、「膀胱が破裂しそう」って言いますよね。

とうとうミランダの到底不可能な要望に応えることができず、くじけそうになるアンディ。たまらず、アンディは、ミランダの右腕、ナイジェルに泣きつきます。でもナイジェルは素っ気なく「辞めたらいい」と言います。
「必死に努力してるって、認めてほしいだけ。」
「アンディ、いいかい、君は努力していない。グチを並べているだけだ。」
「I'm just saying that I would just like a little credit for the fact that I'm killing myself trying.」
「Andy, be serious. You are not trying. You are whining.」
ここも2重3重の構造になっちゃってます。
that以下のことを「I'm just saying:私は言おうとしただけ」。
for以下のことに対して「I would just like a little credit:ちょっとは功績を認めてほしい」。
that以下のような「the fact:事実に対して」。
「I'm killing myself trying:自分を殺すかのように努力している」。
英語も同じ言葉の繰り返しを嫌いますが、「that」が2回も同じ文章に出てきてるのだから、アンディもまともな精神状態ではないと言えるのかも知れません。
「whine」って、「 グチをこぼす」って意味なんですね。犬がクンクン鳴いているのもこれみたいです。
とにかく、アンディは頭から冷や水をかけられたような状態です。

「多くの伝説的人物たちが歩いた建物に君は無関心。ここで働けるなら、多くの者は命も捧げる。でも君は偉そうに文句を言う。」
「You have no idea how many legends have walked these halls, and worse you don't care. Because this place where so many people would die to work, you only deign to work.」
「deign」は訳しにくい単語です。ひとつは「<目上の人が>もったいなくもしてくださる」で、もうひとつは「<普通の人が>すまして(いやいや)する」ということだそうです。
「you only deign to work.」は、一つ目だと、
「君はただ偉そうにして働いている。」
ですし、二つ目だと、
「君はすまして働いている。」
となります。それとなく内容は分かるのですが、辞書通りでは意味が伝わりません。まわりの多くの人が必死で働いているにも関わらず、アンディは情熱も感心もないまま仕事して、グチをこぼしているのですね。

「私、しくじったのね。方法を知りたいの、どうすればもっと。」
「Okay, so I'm screwing it up. I mean, I don't want to, I just wish that I knew what I could do.」
「screw up」で「台無しにする」です。自分がどうであったかを受け入れることができたようです。すると、もうアンディは創造性をもって、次のアイデアを思いつくのです。

ああ。好事魔多し。うまく行きそうだったのですが、ミランダの家で、死語ながら、チョンボってやつです。パリに命をかけているエミリーは気が気ではありません。
「あなたがクビなら、私のパリ行きが中止に。そうなったら、血も涙もなく復讐してやる。」
「If you get fired, that might jeopardize Paris. if that happens, I'll search every Blimpie's in the tristate area for you.」
「jeopardize」って、「(生命・経歴・制度など)を危機にさらす」ですって。これを調べ、理解し、辞書に載せた人、偉いですね。エミリーさんは結構インテリなんでしょうか。それともニューヨーク辺りじゃ普通なんでしょうか。
それはそうと、「Blimpie」ってなんでしょうか。「Blimpie」というファーストフード店や、住宅会社はあったのですが、どうなんですかね。「私は3つの州の地域ですべての「Blimpie」店であなたを探してやる」って、とてもすごいことなんですかね。アメリカには音信不通の知人しかいないので、分かりませんでした。また、何かつかみましたら、お知らせします。何か有名なホラーか、殺人関係で知られていることがありそうですね。

「幸運を祈って。」
「お断りよ。」
「wish me luck.」
「No, shan't.」
「shan't」が「shall not」とは知りませんでした。

怒ったミランダは、怒ったそぶりも見せず、実行不可能なミッション、"mission impossible"ですね、を依頼します。
「無理だよ。”プランB”に変更だ。」
「ミランダ・プリーストリーに”プランB”はないのよ。」
「Just tell her it can't be done. you'll have to come up with a plan B.」
「This is Miranda Priestly we're talking about. There is no plan B. There's only plan A.」
ビジネス・ハウツーものですと、とにかく選択枝がたくさんあることは良いことになります。いわゆるオプションというやつです。危機管理としても、プランAにこだわって、おじゃんになったとき、いっぺんにへしゃげるのは困ることになります。こうした事からも、ミランダの一声がすべてという世界は特別な世界ということが理解できます。
ところで、「遠い昔、はるかかなたの銀河系で」と始まる「スター・ウォーズⅢ」にもこれが出てきます。
ドゥークを倒し、議長を救い、あとは脱出するだけにも関わらず簡単に光線で捉えられてしまいます。頼みのR2D2も捉えられ、万事休す。オビ=ワンは、アナキン・スカイウォーカーに聞きます。
「Do you have plan B?」
ジェダイと言えども、”フォース”だけじゃなく方法論も学ばなくてはならなかったようです。

「彼女、戻った? 私はクビ?」
「自分の災難じゃないから、言えるけど、落ち着いて。イラつくわ。」
「Is she back? Am I fired?」
「You know, I rarely say this to people who aren't me but you have got to calm down. Bloody hell.」
エミリーのセリフを直訳してみます。
「あのね、自分じゃない人間にはめったにこれは言わないのだけれど、あんた、気を静めなさい。血塗られた地獄。」

幸運もあって、修羅場をくぐり抜けたアンディ。でもどんどん彼氏や友人たちとは距離ができてしまいます。またまた、ナイジェルの登場。
「忙しくて、つい。私生活も危機だし。」
「仕事が上達すると、みんな、そうなる。全私生活が崩壊するよ。昇進の時期だ。」
「It's a busy day. And my personal life is honging by a thread, that's all.」
「Well, join the club. That happens when you start doing well at work, darling. Let me know when your whole life goes up in smoke. That means it's time for a promotion.」
「hang by a thread」は「細い糸でつり下げられている」状態で、「非常に危ない、風前の灯火」の意。
「join the club」は成句として辞書にありました。「こちとらも同じ苦況さ」ですって。なんでも辞書引いてみるもんですな。なるほどね。違う意味のようですが、「同じ穴の狢(むじな)」っていうのを思い出しました。「go up in smoke」で、「燃え尽きる」や「だめになる」の意。ナイジェルのセリフの後半は、
「君の全私生活が崩壊したら知らせてくれ。それこそ昇進の時期だ。」
さすがナイジェル。忠告も、なかなかのコーディネイトぶりです。

「風邪の具合は?」
「最悪よ。死人の気分だわ。今夜は楽しみにしていたパーティーよ。ヴァレンティノを着るというのに。」
「How's the cold doing?」
「Like death warmed up, actually. God. It's the benefit tonight. I've been looking forward to it for months. I refuse to be sick. I'm wearing Valentino, for crying out loud.」
「warmed up」は過去形なので、「(エンジンなどが)暖まった」→「準備が整った」ということになりそうです。ですから、
「Like death warmed up, actually.」
「死がそこまで来てるみたい、実に。」
エミリーのボキャブラリーの豊富さには感心します。で、「for crying out loud」は、「(驚き・いらだちを表して)なんてことだ、いやまったく」となります。

「ペチャクチャうるさいわ。黙って。」
「Yeah, I'm hearing this: And I wanna hear this:」
「I hear that」で「わかった、同感」となりますが、「I hear you ( what you are saying )」で「ごもっとも」と「同意できない」の2つの意味が出てきます。
「聞いてますよ。それが聞きたかったわ。」から、「ああ、わかった。ああ、聞きたかった。」そして、「うるさい。黙れ。」になるのでしょうね。

「私は仕事が大好き、私は仕事が大好き。」
「I love my job, I love my job, I love my job.」
最高です。なんでしたっけ。「It's divine.」ですね。使い方、間違ってると思いますが。

「細いのね。」
「本当? パリに行くため、ダイエット中。利くのよ。何も食べないの。倒れそうになったら、チーズをかじる。」
「効果ありね。」
「おなかを壊せば理想体重に。」
「You look so thin.」
「Do I?」
「Yeah.」
「It's for Paris. I'm on this new diet. It's very effective. I don't eat anything, and then when I feel like I'm about to faint I eat a cube of cheese.」
「Well, it's definitely working.」
「I know. I'm just one stomach flu away from my goal weight.」
無茶苦茶なダイエットもあったもんです。「faint」は動詞で「失神する、卒倒する」の意。まったくどうかしてます。アンディもよせばいいのに、「definitely:確実に」を添えて、「はっきりと利いているわ」なんて言ってます。面白いのはエミリーの最後のセリフですね。「stomach」は「胃」。「flu」は「インフルエンザ」。で、こうなります。
「I'm just one stomach flu away from my goal weight.」
「私は、目標体重まで、ちょうどあと1回の胃のインフルエンザ分だけ離れたところにいるわ。」
つまり、あと1回胃腸の方のインフルエンザにかかって、おなかを壊せば、理想の体重に到達できるというわけです。無謀と言いますか、支離滅裂と言いますか、本気とも冗談ともとれないもので、インフルエンザにかかったら、それこそ入院して、パリもへったくりもあったもんじゃなさそうなんですけどね。エミリーって、ほんとは関西出身じゃないですかね。だれか、ほんま、とめたらんとあかんのちゃう?

しかし、エミリーはもう止まりません。あんなにがんばっていたエミリーなのに、パリ行きはアンディとなったのです。
「クビになっても、火かき棒でぶたれても、断るべきよ。」
「仕方なかったの。相手はミランダよ。」
「下手な言い訳しないで。ねえ、今までのことで、何が一番頭にくるかって言うと、あなたは、ずっと”ファッションに興味はない”、”ジャーナリストが夢”と言ってたのに、ウソばっかり!」
「怒るのは、よく分かるわ。」
「ジミー・チュウを履いた日に、魂を売ったのね。見てたのよ。一番ムカつくのは、あんたが着せてもらえる服よ。あんたに着る資格はないわ。炭水化物を食べる人よ!悔しい。不公平すぎる。」
「I don't care if she was gonna fire you or beat you with a red-hot poker, you should have said no.」
「Emily, I didn't have a choice. You know how she is.」
「Please, that is a pathetic excuse. Do you know what really just gets me about this whole thing? Is that, you know, you're the one who said that you don't really care about this stuff. You don't really care about fashion, you just wanna be a journalist. Oh, what a pile of bollocks!」
「I know you're mad. I don't blame you.」
「Face it, Andy, you sold your soul the day you put on that pair of Jimmy Choos. I saw it. And do you know what really just kills me about its whole thing? Is the clothes that you're gonna get, Imean, yuou don't deserve them.You eat carbs, for chrissake! God! It's so unfair.」
エミリーの怒りは想像を超えています。火かき棒は火かき棒でも、ただの火かき棒ではありません。「red-hot poker」ですから、「真っ赤に焼けた火かき棒」ですよ。ああ、くわばら、くわばら(落語家以外、あまり”くわばら”などと言うのは聞きませんね。ちゃんと広辞苑に載ってるんですけどね。)。
「a pathetic excuse」は「とても不十分な言い訳」です。「a pile of」は、「a lot of」と同じ感じで、「多量の、たくさんの」の意。「bollocks」は「睾丸」の意味もありますが、「たわごと」。なんで睾丸がたわごとと一緒なのか納得いきませんが。
怒ってましたね。かわいそうなぐらい怒ってましたね。でも、「ターミネーター3」で、シュワちゃん扮するターミネーターが、くじけそうなジョン・コナーをわざと怒らせて、言ったように、「絶望より怒りが勝る」ようです。
「Anger is more useful than despair.」
このセリフも人をコケにしたようで、ほんと憎いセリフでした。
とにかく、怒ったせいでお腹が空いたのか、エミリーさんガツガツ食ってましたね。すぐに元気になりそうで良かった、良かった。

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コメント

面白かったです。

投稿: t | 2017年5月16日 (火) 01時46分

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