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「ass」(「リーサル・ウェポン」より)

My DVD:「LETHAL WEAPON :リーサル・ウェポン(1997年製作)」発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ/DL-11709

見直してみると、「リーサル・ウェポン」もクリスマス映画なんですね。それにしては、表題にした「ass」はちょっとヒンシュクものでしょうか。1作目のこの映画では、自殺志向のある危ない刑事と、50を迎える家庭的で誠実な刑事の取り合わせで事件に向かいながら、友情が固まるという設定が面白いところなのですが、メル・ギブソンとダニー・グローバーは互いの作り出したキャラクターがあまりに素敵で、二人の絶妙の掛け合いは、たのしいの一言に尽きます。二人を見たいファンに応えて、シリーズ化したのもうなずけます。
事件の糸口を求める二人は、射撃練習場で互いが思いつくままに、被害者と思われるビルから飛び降りた女性アマンダと目撃者のこれまた女性であるディクシーの関わりを言い合う。
少々長いですが、日本語字幕より。
グローバー :アマンダと寝たやつがいる。
ギブソン :男とは限らない。
グローバー :(よし、)ディクシーか?
ギブソン :(気持ち悪い)ああ、彼女が毒を盛ったとしよう。
グローバー :だれかの指図で。
ギブソン :毒を飲ませたから、死んだと思ったろうよ。(で、ディクシーは?)
グローバー :(もし、それが彼女なら?)
ギブソン :(もし、それが彼女なら)ゆっくり部屋を片づけて、逃げるつもりだった。(しかし?)
グローバー :だが、相手は飛び降りた。
ギブソン :(あるいは)押したのかも。(どちらにせよ?)
グローバー :(どちらにせよ)死体が表に出てしまった。慌てて逃げる。
ギブソン :やじ馬が集まってた。
グローバー :顔見知りもいる。やばい。
ギブソン :そう思ったろうよ。(やばい!)
グローバー :黙ってると、疑われるもんな。
ギブソン :だから、「飛び降りるのを見た」と言ったんだよ。
グローバー :(そうだ。)
ギブソン :(そう。)
グローバー :細い線だな。
ギブソン :全く細い。

最初におもしろいところでは、「彼女が毒を盛った」という部分。英語字幕では、
「Dixie puts drain cleaner in the pills.」:「デキシーはヤクに下水洗浄剤を混ぜた。」
と、毒薬をわざわざ洗剤と言ってます。「シックス・センス」でも少女を死に追いやる母親は食事に洗剤を混ぜてましたね。
「Mr.&Mrs.スミス」でも、ブラッド・ピットはキッチンに洗浄剤を見つけると、アンジェリーナ・ジョリーが食事に毒を入れたのではないかと疑うところがありました。
何か有名な話題がアメリカにはあったのかも知れません。

それから、よくあるのですが、この映画でも必ずしも英語字幕通りにはセリフは語られていません。例えば、「押したのかも」のところでは、ギブソンは自分の続きをグローバーに促すように、「どちらにせよ」という意味の「either way」を付け足してます。グローバーも「either way」と受けてから、言葉を続けてます。
「Or Dixie pushes her. ( Either way?)」 :「あるいは、デキシーが彼女を押したか。(どちらにせよ?)」
「(Either way.) She has to leave quickly because the body's public. 」 :「(どちらにせよ)彼女はすばやく去る必要があった。なぜなら、死体が公けになってしまった。」
二人の掛け合いの感じが出るように、英語字幕や日本語字幕にも現れないセリフを付け足して、上の中で()でくくって入れてみました。

そして、表題の「ass」の1個目が登場します。「慌てて逃げる。」の部分。
「So she hauls ass downstairs.」:「だから、彼女は階下をすばやく抜け出た。」
「haul」は「ぐいっと引っぱる」という意味があります。「haul ass」だと、「おしりをぐいっと引っぱ」って急ぐという感じになるのでしょうか。「haul ass」は「さっさと出て行く」という意味になります。「drag ass」も同じ。日本語だと、そうですね、「穴(ケツ)をまくる」という言い方がありますが、これは逆に開き直って居直ってしまう方ですね。

次に2個目の「ass」。「黙ってると、疑われるもんな。」の部分。
「The point being that now she has to cover her ass.」:「今や彼女は言いつくろわなきゃならない、というところがポイントになるわけ(だから)。」
「お尻を隠す」という「cover one's ass」で、「(罰が及ばないように)言いつくろう」という意味。今度は日本の「頭隠して、尻隠さず」と、どことなく意味合いが似てますね。

この直後のセリフ。最初、英語字幕を見て、さっぱり分からなかったのが、「 she grabs a flatfoot」。扁平足をつかんで、何をするのだろうって。実は、「flatfoot」は「警官」ということでした。
「ダイ・ハード」では、ウィルスが巡査部長であるパル(レジナルド・ベルジョンソン)に、なぜ「事務職」をやっているのか聞くとき、その切り出しに、日本語字幕では、
「君も扁平足か?」
と聞いています。これは、ガラスの破片を踏みつけた自分の足と「警官」を意味する「flatfoot」をかけた洒落になっているのではと思うのですが。英語字幕では、
「Hey, Pal, you got flat foot?」
となってました。
「flat」と「foot」を分けて使うと、扁平足。一つの単語として使うと、「警官」という意味が出てきます。面白いですね。
さて、「リーサル・ウェポン」に話を戻しますと、次のようになってました。
「So she grabs a flatfoot and says, "Officer, I saw the whole thing."」:「だから、警官をつかまえて、”おまわりさん、私は全部見てたのよ。”」

他にも軽妙な二人のやりとりがありました。短いですが、英語字幕だとさらにひねりがありました。
ギブソンが敵に撃たれてしまったシーン。だが、防弾チョッキを身につけていて、命は助かった。
日本語字幕から。
グローバー :「もう少し上だったら、」
ギブソン :「下だったら、女になってる。」
グローバー :「惜しかったな。」
英語字幕です。
グローバー :「2" higher, he'd have hit your head.」 :「2インチ上だったら、やつはおまえの頭をヒットしていたぞ。」
ギブソン :「2" lower, I'd be a falsetto for life.」 :「2インチ下だったら、一生ずっと裏声歌手だ。」
グローバー :「I bed you'd sound nice.」 :「そりゃ素敵だ、請け合うよ。」
「2"」は「2 inches」。
説明するまでもないですが、弾が股間を貫いてしまったら、一生裏声を出すような体になってしまうということでしょう。

最後に、ラストのセリフ。これは同じセリフが3回目になりますが。
「I'm too old for this.」:「年寄りには、きつい。」
「私はこのことについてはあまりにも年を取っている。」ということですが、「きつい」という表現がうまいですね。

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» リーサル・ウェポン3 [1-kakaku.com]
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